PART 48b
「え、だめえっ!」
目を見開いた麻衣子は、原稿も忘れて思わず口走ってしまった。
<あれ、仮想映像のコメントにどうして反応してるの?>
<おお、ついに麻衣子ちゃん陥落!>
<駄目じゃん、原稿読まなくちゃ!>
<はい、全裸放送確定!>
<それじゃ、ロータースイッチ入れちゃって!>
<本澤麻衣子、生放送でイキまーす!(笑)>
すかさず突っ込みが入り、麻衣子に致命的な事態を悟らせた。
「し、失礼しました! ち、違うんです……ただいま、放送映像が何者かによって加工されております……あ、あ、あんっ!」
麻衣子は必死にテレビカメラを見つめて口を開いたが、もはや目の前がまっ白になっていた。
(もし今、ローターのスイッチを入れられたら、私……)
その内心までもがネットモニターにピンク字で表示され、スタッフや視聴者達の興奮を煽っていることに気付く余裕はなかった。
「あっ、あっ、あああっ……」
膣に咥えたローターがついに振動を始めて、麻衣子は美しい目を見開いた。
「官庁の、担当者は……あ、あうぅ……い、いいぃ……」
(駄目、お願い、止めてっ!)
麻衣子は内心で必死に懇願した。ローターだけでなく、両方の乳首とクリトリスを弄る指も活発に動いていて、麻衣子の官能を一気に責め立てていた。
《やめて欲しかったら、こう言うんだ。「本澤麻衣子は、今、本当に全裸で生放送をしています。嘘をついて申し訳ありません。お詫びにこれからは、いつでもどこでも、裸になることを誓います」ってね》
あはは、それ最高、とネット視聴者達の声が溢れた。
(無理よ、そんなこと! できるわけないじゃない!)
「あ、はあ、はあ……げ、原因究明を急ぐよう、せ、施工業者に……あ、ああんっ!」
全身を小刻みに震わせ、頬を真っ赤に染めながら、麻衣子は原稿の続きを必死に読もうとした。あと少しで読み終わる、そしたら終わりの約束なんだから……しかし、全身の性感帯を責め立てられ、もう限界だった。
「す、すみません……」
もう絶頂に達してしまう……テレビカメラの前で、せめてそれだけは避けたい……麻衣子は唐突に頭を下げ、スタジオの陰に向けて歩きだした。申し訳ないが、きっと栗山さんがなんとかフォローしてくれる……
(……!?)
2歩動いたところで、足が動かなくなった。「声」によって止められた……そう悟った麻衣子の表情が固まった。
(いや、お願い、許して! 一体どこまで私を辱めれば気が済むの!)
《だから、麻衣子ちゃんがいつでもどこでも全裸になるようになったら気が済むよ》
「声」が麻衣子の頭の中に聞こえ、青文字がモニター画面に表示された。
《それじゃ、指示に背いた罰として、派手にイってもらうよ》
「そんな、だめ!……あ、あぅっ!」
太ももや尻までに指を感じ、麻衣子はたまらずに声を上げた。もはや、恥も外聞もなかった。全身をめくるめく快感が駆け巡り、麻衣子の膝がガクッと崩れた。
スタッフや関連部の社員達が呆気にとられて見つめる中、N放送きっての美人女子アナウンサーは、全裸のままで足を開き、そのまま腰を落としていった。
両手は後ろに回し、床について身体を支えた。麻衣子は再び、生放送中のニュース番組の中で、全裸M字開脚姿を晒すことになった。
「あっ、あっ、あああっ!」
腰を床についた衝撃で、膣内のローターが肉壁をぐいっと抉り、麻衣子は首を仰け反らせ、喘ぎ声を上げた。同時に下半身がビクビクッと震え、麻衣子の性感の限界を知らせた。おお、イクぞーっ、というからかい声が頭の中に溢れたが、もはや麻衣子には認識できなかった。
《最後のチャンスだよ。「麻衣子、イキまーす」って言ったら終わりにしてあげる》
その声と同時に、ローターが内壁を抉りながら回転し、膣口に向かって動き始めた。
「そんな! んぐうっ」
麻衣子はいやいやをするように首を振ったが、抵抗はそこまでだった。乳首、クリトリス、尻穴、太もも、そして膣口近くを同時に責め立てられ続けては、抵抗することは不可能だった。
「あ、あ、いやあっ! あっあっああんっ……い、いいいっ……」
恐ろしく淫靡なショーを披露した挙げ句、麻衣子はついに絶頂に達してしまった。さらに、イクと同時に膣口からローターが飛び出し、腰の振動と相まって高く跳ね上がった。続いて、愛液が勢いよく噴き出し、噴水のように高く上がった。
次の瞬間、放送スタッフ達にとって予想外の出来事が起こった。麻衣子を正面から捉えていたテレビカメラに、ローターがまっすぐ飛んでいき、ぶつかったのだ。その直後、今度は麻衣子の秘裂から飛び出した潮が伸び、やはりテレビカメラにぶつかって弾けた。一部の粘液は画面に貼り付き、放送画面を歪ませた。
スタジオの空気が凍りついた。あろうことか、公共放送のニュース番組の生放送で、全裸になり、乳首とクリトリスと膣内を刺激されて悶える姿を晒した挙げ句、M字開脚で絶頂に達して潮噴きまで披露し、秘裂から飛び出した愛液とローターが、テレビカメラに向かってきてぶつかる瞬間まで放映してしまったのだ。鈴の音が派手に鳴り、愛液がついたテレビカメラの歪んだ映像で放送していては、言い訳のしようがない……
「あ、あの、すみません、失礼しました……」
絶頂に達しても失神しない訓練が功を奏して、麻衣子は必死に声を出した。取り返しのつかないことをしてしまった気もするが、真っ白になった頭では状況判断ができなかった。
「えー、監督官庁は……」
『本澤くん、早く立って!』
インカムから有川の声が響いた。麻衣子はテレビカメラに向けて、M字開脚で両手を後ろについたままだった。これでは、秘部をどうぞご覧くださいと言わんばかりの格好だった。
「えー、あ、あれ?」
手が動かない! 足も、腰も……「声」が固定しているに違いなかった。
(お願い、もう許して! 駄目、見ないでっ!)
目の前のモニター画面には自分の全裸M字開脚がはっきり映されていて、あまりの恥辱に意識を取り戻した。しかも、ネットモニター画面には、視聴者達の歓喜とからかいのコメントで溢れていた。
<うわ、すごいポーズ!>
<完全にストリップショー!>
<私のオ○ンコ見てって感じ>
<しかもぐしょ濡れ>
<テレビカメラに潮噴きするって、最高(笑)>
<まだ濡れてるし>
<麻衣子ちゃんのラブジュース越しに放送する画面を見られるなんて>
<ほら、本当は服着てるんでしょ、笑顔で続けなよ!>
それらの言葉は同時に麻衣子の脳内にも聞こえて、麻衣子の羞恥と困惑を煽った。
「す、すみません、ちょっと足が痺れてしまって」
麻衣子は引きつった笑いを浮かべ、テレビカメラに視線を向けた。しかし、ネット視聴者が指摘するように、仮想映像ではありえない事態が起きてしまったことを自覚して、内心では悲鳴をあげていた。
(これ以上、嘘をついても……どうしたらいいの?)
麻衣子は少し潤んだ瞳を、テレビカメラの横に立っている有川に向けた。
《言っとくけど、全裸放送が本当って認めないと、ずっとこのままだからね》
「声」が聞こえて、同時にネットモニター画面に青文字で表示された。
腕組みをしていた有川は、珍しく苦渋の表情を浮かべていた。そして麻衣子の視線を受けると、小さく頷き返した。
『大丈夫、きっと何とかするから』
有川はそう言うと、斜め後ろを向いて、何かを指示するように軽く右腕を上げた。
次の瞬間、放送映像のモニター画面と、ネットモニター画面の上に表示してあるテロップが同時に変わった。
「ただいま、何者かの脅迫により、本澤アナは意思に反した行為を強要されています。犯人の要求が通常通りの放送であるため、番組を継続させていただきます。お見苦しいところがありますが、ご了承ください。」
「え、そ、そんなっ!」
テロップを見た麻衣子は、思わず我を忘れて悲鳴をあげた。これでは、今のこの格好や、これまで晒した死ぬほど恥ずかしい姿が、全て事実であると認めていることになってしまう……今までの、恥を忍んでの努力は一体なんだったのか……次の瞬間、麻衣子は身体がふっと自由になるのを感じた。M字開脚姿を崩し、慌てて立ち上がった。左腕で両方の乳房を庇い、右手を下に伸ばして股間を隠した。
《へえ、やっと認めたんだ、N放送さん。麻衣子ちゃんは、恥の掻き損だったね》
「声」の青文字がネットモニター画面に表示された。
《それじゃあ麻衣子ちゃん、もっと「脅迫」してあげるよ。命令には絶対に従うんだよ。まずは、両手を真っすぐ下ろして、本澤麻衣子は今、素っ裸で放送していますって言うんだ》
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