PART 30(bbbb)

 突如現れた美少女の素っ裸にギャラリーが唖然としている中、一人の男性の鋭い声が飛んだ。
「梨沙ちゃん、早く降りるんだ! 早くっ!」

 (え・・・?)声のした方向、すなわち真っ正面斜め下に顔を向けると、そこには必死に手招きをしている・・・聞き覚えのある声・・・梨沙は目を凝らした。
「・・・か、かっ、柏原くんっ!?」
その男性が親しい副生徒会長であることを悟った梨沙は、目を見開き、悲鳴をあげた。いや、こんな格好、見ないでっ・・・
「・・・きゃ、きゃあっ!」
思わず後ろで柵を掴んでいた手を離し、乳房と股間を庇った梨沙は、踵だけで乗っていた横木の上でバランスを崩し、足を踏み外して落下していった。

 「危ないっ、梨沙ちゃん!」
柏原が一気に駆け寄ると、落ちてきた梨沙の裸身をしっかりと抱いて押さえた。その手がお尻をしっかり握っているのに気付いた柏原は、その柔らかい感触に戸惑いながら、慌てて手を離した。
「さあ、あっちまで走るよ!」
柏原は少し手に力を込め、梨沙の頬をぺんぺんと叩いた。
「ほら、もう少しだけ、頑張って!」

 「え、う、うん・・・」
どうしてここにいるの?、私の身体、全部見てしまったの?、今までのことをどこまで知っているの?、一体これからどうするつもりなの?・・・いろいろ聞きたかったが、確かに今はそれどころではなかった。とにかく、柏原は何か事情を知っていて、逃げるのを助けようとしてくれている・・・梨沙は首を振って自分を奮い立たせると、両手で乳房と股間を庇い、柏原と一緒に走り出した。

 え、何、あれ、裸だ・・・あまりに早い展開に絶句していたギャラリーが騒ぎだし、一部の者が携帯端末のカメラを起動させた時には、二人は遊園地の門からすでに30メートルほど離れていた。

 しかし、遊園地の門から離れるということは、事情を知らない他の大勢の一般人に、全裸で走る姿を見せるということだった。
おお、うわ、きゃあ、裸だ、裸!、結構可愛いぞ!、あはは、お尻丸出しだぞ!・・・どよめきは一瞬のうちに広がり、携帯端末のカメラがいくつも梨沙の身体に向けられるようになっていた。

 あ、ああ、私・・・ついに公道を、裸で走っている・・・走る度に膣の中のローターに肉壁を抉られ、梨沙は羞恥と快感に喘ぎはじめていた。息が上がり、足がもつれそうになる。

 「梨沙ちゃん、もうすぐだから、頑張って!」
柏原は時々後ろを振り返り、梨沙を叱咤した。そしてその度に、梨沙の顔が色っぽくなっていくように見え、内心で少し興奮してしまっていた。憧れていた梨沙の全裸を、さっきはまともに目にしてしまったのだ。可愛い乳首とぷるぷる震える真っ白な乳房、股間を彩る淡い恥毛・・・ふと脳裏に浮かんだ鮮明な映像に、柏原は慌てて首を振った。だめだ、今、そんなことを考えたら・・・
「ほら、そこの脇道に入るよ!」

 柏原と梨沙は、脇道に入ってから何回か曲がった後、道の脇の一台のバイクの前に辿り着いた。それは、17歳の柏原が乗ることができるバイクの中では、かなり排気量が大きく、パワーのあるものだった。幸い、脇道を何度も曲がったお陰で、まだ追っ手の姿は見えない。
「ほら、梨沙ちゃん、これ!」
柏原は赤いヘルメットを取り出すと、梨沙の目の前に見せた。

 「・・・え? ま、まさか、そんな!」
梨沙はぎょっとして柏原の顔を見上げた。まさか、裸のままでバイクに乗れって言うの? この格好で二人乗りをして、道を走るの?・・・お尻は絶対に隠せない・・・

 「ごめん、今はそれしかないんだ・・・大丈夫、これならフルフェイスタイプのヘルメットだから、顔は絶対に見えないよ。」
柏原は少し焦った口調で言った。
「あいつらに捕まる訳にはいかないだろ? 大丈夫、すぐ近くの俺の家に行くだけだから。」

 柏原に真剣な目で見つめられ、梨沙は小さく頷いた。そうよ、柏原君を信じよう・・・
「分かったわ。ありがとう、お願い。」
 
 その短い言葉を聞くと、柏原はほっとしたように頷き、梨沙にヘルメットを被せた。そして、顎の下の紐をしっかりと結んだ。
さらに素早く自分もヘルメットを被り、オートバイに跨がった。
「ほら、梨沙ちゃん、早く後ろに乗って!」

 「う、うん・・・」
梨沙はそう返事をしながら、少し戸惑った。オートバイの後ろの席は、頑丈そうな革張りで、幅が30センチ以上あるように見えた。後ろの席に乗るためには、その席を大股開きで跨がなくてはならない。さらに乗ったあとは、大股開きで、前の柏原くんに抱きつかなければならないのだ。そんなことをしたら、乳房を思い切り柏原の背中に押しつけることになる。そして下半身は、大股開きの股間を柏原くんの腰に・・・

 おい、どこだ!、確か、この辺で曲がったぞ・・・曲がり角の向こうから男たちの声が迫ってきているのが聞こえ、梨沙は迷いを吹っ切るしかなかった。
「それじゃあ、乗るね・・・」
梨沙は周囲に誰もいないのを確かめ、ぱっと両手を身体から離し、一気に飛び上がってバイクの後ろの席に乗った。

 「・・・っ!」
大股開きでバイクの後ろの席を跨ぎ、腰を席の上に落とした瞬間、全身をびびっと快感が駆け抜け、梨沙は身体を仰け反らせた。
「あ、ああっ・・・」
後ろに倒れそうになり、慌てて柏原の身体に両手を巻き付けてしがみつきながら、梨沙は小さく喘いだ。

 「大丈夫、梨沙ちゃん?」
突然後ろで悲鳴があがり、柏原はぎょっとして振り向いた。
「どこか打った?」

 「う、ううん、大丈夫・・・」
梨沙は慌てて平静な声を出した。大股開きで席に座った瞬間、秘裂の中のローターと席に挟まれた秘肉から快感を感じて喘いでしまった、などと、まさか親しい男子に言えるはずがなかった。

 そして梨沙は、これからこの姿で走らなければならないことに、単なる恥ずかしさと別の危機を感じていた。これはつまり、さっきプールでさせられた、丸太渡りと同じような状況ではないのか。さっきは、後ろで縛りで丸太に跨がらされ、自らジャンプして腰を上げて丸太に落とし、その時のローターからの刺激で激しい快感を感じてしまったが、今度は、走るバイクに刺激されしまうのではないか・・・いや、今は素っ裸で、公道で丸出しのお尻を見られながら、淫らに振らないように我慢しなければならないのだから、状況はもっと悪いのではないか・・・道で歩いていれば誰もが振り向くような輝く美貌を持つ少女は、それが杞憂であることを必死に祈っていた。

 「梨沙ちゃん、しっかり掴まって!」

 柏原の大きな声に、ぼうっとしていた梨沙ははっとした。そうだ、早く逃げなくちゃ! 梨沙は目の前の柏原の身体に両手を回し、しっかりと抱きついた。乳房が背中に押されてつぶれ、乳首から電流のような快感が駆け抜けた。
「・・・あ、あんっ・・・」
思わず喘いでしまった梨沙は、自分の声にぎょっとした。柏原くん、聞こえなかったよね・・・

 「もっと、身体を前に! 脚でしっかり腰を挟んで!」

 聞こえていないみたい・・・梨沙は少しほっとして、もっと腰を前に出し、開いた太股で、柏原の腰を脚をしっかりと挟んだ。そうすると、全身が柏原の身体と密着することになり、そこから伝わる体温に、梨沙はどこか安堵するものを感じた。柏原くんの背中、あったかい・・・

 「それじゃあ、いくよ、しっかり掴まって!」
柏原は大声で言うと、グリップをぎゅっと握った。薄いシャツ越しに梨沙の乳房がはっきりと感じられ、興奮を抑えるのに必死だった。駄目だ、変なことを考えたら・・・しかしまた、裸の太股がジーンズ越しに感じられると、股間の隆起を抑えることはもはやできなかった。今、梨沙ちゃんは、すぐ後ろでアソコを丸出しにしている・・・柏原は雑念を振り払うように首を振った。グリップを捻り、エンジンをかける。

 ブルルーン!、エンジンの重低音が響き、バイクが振動した。

 その瞬間、激しい快感が梨沙の全身を駆け巡った。
「あっ、あんっ! ああっ・・・」
大股開きの股間にバイクの振動が直撃し、膣の中のローターに共鳴したような気がした。梨沙は顔を仰け反らせて喘ぎながら、両腕に力を込めて必死に柏原にしがみついた。
「ちょ、ちょっと待って・・・あぁん・・・」

 しかし、バイクの爆音があっては、フルフェイスの柏原には聞こえなかった。
「えっ? しっかり掴まって!」
梨沙の身体が少し離れたのを気にした柏原は、大きな声でそう言うと、オートバイをスタートさせた。

 ブオオン、と爆音を響かせ、オートバイが一気にスタートした。あ、あそこだ、待てっ、という男たちの声が聞こえた。

 オートバイは小道を何度も曲がり、俊敏に進んでいった。柏原の運転は巧みで、障害物や人を瞬時に判断して避けていった。また、さっき来た道とは違う道で進んだため、追っ手に会うことはなかった。道を曲がる度に、爆音に驚いて数人が振り返り、二人乗りの後ろの女性が素っ裸であることを知ると、驚愕して絶句した。

 梨沙はあまりに非日常的な状況に、頭がぼうっとしかけていた。今、私は、真っ裸で、オートバイに跨がって、柏原くんにしがみついている・・・お尻は丸出しなのに、道を走っている・・・この後は、もっと大きな道を走らなくちゃ・・・新宿の、大勢の人の前を・・・
「あ、あんっ、・・・く、く、くぅぅ・・・」
オートバイの振動に共鳴したローターに膣内を抉られ、梨沙はくぐもった悲鳴をあげた。

 柏原はできるだけ裏道を走り、大通りから遊園地への一本道は通らずに、大通りに出ることができた。
「よし、梨沙ちゃん、もう少しだから頑張って!」
柏原は首を横に向け、後ろの梨沙に向かって声をかけた。自分にひしっとしがみ付く少女の腕と、背中に押しつけられている乳房の感触が、少年に高揚感をもたらしていた。よし、これなら次の信号は青のうちに通過できるはず・・・

 しかし、梨沙にとって、それは全く異なる状況だった。バイクに跨がっている柏原の、さらに外から足を挟まなければならないということは、梨沙に常に大股開きでいることを強いていた。そして、走るバイクに巻き込まれた風が秘裂に食い込むのを感じ、梨沙は新たな快感責めに悶えていた。
 下から突き上げるようなバイクの振動、膣口からぐいぐい食い込む風、秘裂の中で膣壁を抉るローター・・・柏原の背中に擦りつけて、乳房がぎゅうっと揉み込まれ、乳首が前後左右に転がされる・・・そして、大通りに出た瞬間、今までとは比べものにならない大勢の人たちと、周りを囲む車・・・無数の視線が背後から尻の溝に突き刺さる。梨沙は全身が燃えるように熱くなるのを感じた。嘘、嘘よ、こんなの・・・

 「あ、あん、あんっ・・・あ、いぃぃ・・・」
バイクの爆音と歩道の人間の歓声と悲鳴を聞きながら、梨沙はいつしか、腰を前後にくねらせ、胸を押しつけて快感を自ら味わうようになってしまっていた。ああ、気持ち、いい・・・


前章へ 目次へ 次章へ

カウンター