PART 72

 ギャラリーとカメラが見つめる中、全裸後ろ手縛りM字開脚で宙吊りにされている有希は、真樹が持っている筆の柄を目がけて腰を下ろし、秘裂で咥えようとしていた。
「・・・え、えいっ・・・あ、あんっ・・・ああ・・・」
しかし、身体が微妙に揺れること、自分の秘裂とサインペンの位置関係が真上からでは分からないこと、それに、縛られた状態では腰が思うように動かせないこともあり、有希は何度も失敗してしまった。その度に喘ぐ様子がおもしろく、ギャラリーにとっては見応えのあるショーだったが、真樹は容赦なく何度も有希の尻を叩いた。それは、新人女優が我が儘を言った時、徹底的に厳しくするのと同じ手法だった。

 「もう、仕方ないわねえ・・・ほら、入り口を当ててあげたから、このまま咥えてご覧なさい。」
真樹はサインペンの柄の先を、有希の秘裂に潜り込ませた。
「あら、もうぐしょ濡れじゃない、あなたのあそこ! ほんと、ドスケベなのねえ・・・ほら、ちゃんと撮ってあげて・・・」

 有希は、ようやく秘裂でサインペンを咥えることができた。
「・・・そ、それでは、二階堂、有希、おまんこでお習字に、挑戦します!」
(あ、ああ・・・私って、最低の女・・・)恥ずかしい台詞を言わされる度に愛液があふれ出すのを感じ、有希は内心で恥辱に震えていた。

 もちろん、空中での「お習字」は困難を極め、何度挑戦してもうまく字を書くことはできなかった。そんなことは当然予測していた真樹だったが、空中で美人女子社員が秘部に筆を咥えて振り立てる絵が欲しかったため、あえて何度も失敗させ、じっくり撮影させた。
 その後は、仕方ないなあと言いつつ有希を下ろしてやり、しゃがんだ状態で股を思い切り開かせ、床に置いた覚書に「ゆき」と書かせた。

 「・・・はい、これが、二階堂、有希の、おまんこでの、初めての、お習字、です・・・」
有希はしゃがんで秘裂に筆を咥えたまま、ビデオカメラに向かって引きつった笑いを浮かべた。そしてその横では真樹が立ち、その覚書を有希の顔の横に並べて見せていた。

 しかし、真樹の意地悪はまだ終わりではなかった。
「はい、これでサインはいいわね。書いているところの証拠も録画したし。・・・あとは拇印ね・・・だけど、指だと駄目だから・・・有希ちゃん、あそこでハンコ、押してくれる?」
今思いついたような振りをしたが、それはもちろん、事前の計画どおりだった。


 有希への恥辱責めはそれからも計画どおりに進められた。
 秘部を使って印を押せ、という非情な命令に有希が驚愕し、いやがる可愛い仕草をしっかりと記録してから、真樹が叱りつけて観念させる。
 「有希、おまんこでハンコをします」と屈辱の台詞を言わせ、有希のバッグに入っていた口紅で大陰唇に塗り、クリトリスや尿道口、膣まで弄んで、悶えさせ、悲鳴をあげさせ、秘部が濡れていることを暴露する。
 愛液が出てくると口紅が濡れないと難癖を付け、一回全部出させることにする。そして、ベテラン男優の手マンでイかせ、派手に潮を吹かせる・・・
 そして、試しに別の白紙に印を押させ、その結果を示して、恥毛があるからうまくできないと説明、剃毛することを告げる。また、有希が嫌がり、顔を引きつらせる姿をじっくり撮影・・・


 ・・・そして有希は今、M字吊りにされ、秘部にシェービングクリームを塗られていた。
「・・・二階堂、有希、・・・マン拓の邪魔なので、マン毛を全部、剃ってもらいます・・・緊縛プレイにも邪魔ですからね・・・」
そう言いながらにこりとはにかんだ笑顔を作り、空中でM字に開いた秘裂から愛液をどろりと垂らす有希・・・その天性の被虐の素質に、大広間の皆が、内心舌を巻いていた・・・この子、本当にM奴隷の素質、天才的にあるんじゃないか?・・・

 そして、完全につるつるにされた股間をその姿と、秘裂をぱっくり開いた形で記念撮影された有希は、再び口紅を塗られ、覚書に押しつけられた。
「・・・はい、これが有希の、マン拓、です・・・ちょっと、恥ずかしいです・・・」
M字吊りでマン拓とお○んこ習字のサインが入った覚書と並んで撮影されながら、有希は笑顔を作り、もはや股間からは途切れることなく愛液を滴らせていた。


 最初にM字吊りという、ある意味で究極の恥辱ポーズで緊縛されたため、その後の撮影はかなりスムーズに進むことになった。蟹縛り、胡座縛り、座禅転がし、後手縛り、前手縛り、たぬき縛り、亀甲縛り、菱縄縛り、大開脚青竹縛り、雌犬縛り・・・想像もしたことのない恥辱ポーズの連続に、有希はたびたび悲鳴を上げたが、結局は素直に従い、秘裂を濡らして興奮していたのだった。そして、股縄縛りがある度に、有希はその瘤の責めに敏感に反応し、あられもなく声を上げて悶えまくり、何度も絶頂に達してしまったのだった。
 また、その全ての緊縛について、着衣、下着見せ、下着脱ぎ、全裸、の4バージョンが撮影された。さらに、全裸バージョンでは最後に絶頂に達するまで責め立てられた。しかも、バイブやローター、電動マッサージ器、ディルドゥ、筆・・・あらゆる淫具を使って有希を鳴かせたのだった。
 そして、服装もまた毎回違っていた。セーラー服、ブレザー、スクール水着、チアガール、ブルマー体操服、テニスルック、ナース、キャビンアテンダント、受付嬢、和服、浴衣、ウェディングドレス・・・AVスタジオにあるあらゆるコスプレ衣装を着せられ、緊縛されては脱がされた。
 もちろん、ブラとパンティも毎回、色や柄の違うものを着させられ、ギャラリーを楽しませた。

 そして、有希がM奴隷としての天才を再び発揮したのは、最後の雌犬縛りの時だった。雌犬縛りとは、身体の片側で膝立ちになり、もう片方の脚を思い切り引っ張り上げ、縦に股をおっぴろげさせるポーズである。それは犬のおしっこのような格好で、開いた秘部を隠しようの無いポーズだった。

 可憐なブレザー姿でそのポーズをしている最中、ついに我慢仕切れなくなった有希が、切なそうな瞳で真樹に訴えた。
「・・・あ、あの、お願いです、ちょっと休憩させてください・・・」

 「え、どうして? 全部終わるまで、あと10分もかからないわよ。休憩ならそれからでいいでしょ?」
真樹は有希が何を言いたいか、百も承知でわざととぼけた。さっきからずっと、脚をもぞもぞさせているのだから、それは他のギャラリーにも明白だった。

 「と、トイレに行きたいんです、お願いします・・・も、もう、限界です・・・」
有希は諦めずにまた懇願した。雌犬縛りは、おしっこを我慢している女性には最も辛いポーズだった。
「お願いです、少しだけ、解いてください・・・」

 「何だ、おしっこしたいの、有希ちゃん?」
真樹はあっさりと言って、有希の顔を覗き込んだ。
「それならちょうどいいじゃない、今、雌犬ポーズなんだから、そのままパンティ脱がしてもらって、そこですればいいじゃない?」
淡々とした口調での非情な命令に、ギャラリー達から笑いが起こった。

 「そ、そんな! ここでなんて、そんな・・・」
有希は顔を青ざめさせた。排泄行為を衆人環視の中で行い、録画されるなんて・・・脚がわなわなと震えた。
「で、できません、そんなこと・・・きゃああっ」
尻をぺしゃりと叩かれ、有希は悲鳴を上げた。そして少し、尿を漏らしてしまった。

 「あのねえ、空中でM字開脚で派手に潮吹きしたド変態は誰? おしっこの方がよっぽど普通じゃない?」
真樹はあっさり却下し、撮影続行を指示した。

 こうなっては、今の有希にできるのは、早く撮影を進めて、何とか終了まで持ちこたえることだけだった。有希は歯を食い縛り、下着見せシーン、下着脱ぎシーンを何とかこなした。男優に秘裂をぱっくり開く時だけは、ほんの少しだけ漏らしてしまったが、皆にはばれずに済んだ。
 そして次は最後、全裸バージョンだ。有希は素早くストリップをして、城田に緊縛をお願いした。縄が身体にぎゅうっと巻き付く度に尿が出そうになり、有希は歯を食いしばり、呻きながら堪えた。もはやそっちの方が皆を楽しませていることには、もちろん気付いていなかった。

 ようやく全裸での雌犬縛りポーズの緊縛が完成し、有希はビデオカメラに目線を向けてにこりと笑った。も、もう少し、頑張るのよ・・・
「・・・は、はい、二階堂、有希の、すっぽんぽんでの、雌犬ポーズの、完成で・・・」
しかしその時、有希の心が一瞬、安堵に緩んだ。途端に尿道口がぷくりと膨らみ、制御不能の状態になった。
「・・・あ、あっ、ゆ、有希の、雌犬ポーズ、か、完成でーす!・・・ああああっっっ・・・」
その言葉と共に、尿道口からぴーっと薄黄色の液が飛び出し、高く弧を描いた。そしてそれは、3メートル先の壁にぶつかり、激しい飛沫をあげた。

 「有希ちゃん偉い、雌犬ポーズのためにおしっこ、とっておいたのね! すっごーい(笑)」
「ねえ有希ちゃん、ストリッパーになったら? 雌犬おしっこショー、絶対に受けるよ!(笑)」
「ちょっと、いい加減に止めてくれない? すごい水溜まり、できちゃってるよ(笑)」

 ・・・有希はついに、AV女優にさえ見下される存在に堕ちてしまった。(う、嘘、嘘よ、こんなの・・・き、気持ち、いい・・・)有希は頭の中が真っ白になりながら、延々とおしっこを飛ばし続けていた。

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 3時間の緊縛撮影がようやく終わり、とりあえず有希と土居は解放された。しかし、会社に向かう車の中は、重苦しい沈黙が支配することになった。

 アイリスを怒らせないためには、ああいう風に調子を合わせるしかなかったんだ、と土居が必死に釈明したが、有希には到底受け入れがたかった。自分の乳房や秘部、尻の穴を最も見て欲しく無い方向からフラッシュを浴びせて撮影しまくり、剃毛や潮吹き、おしっこの時も、みんなと笑いながら撮影していた・・・腹が立つと同時に、死ぬほど恥ずかしくて、何と言ったらいいのかわからなかった。

 また、何より辛いのは、信じられないほど恥ずかしいポーズをさせられ、秘所を撮影されながら、自分が感じてしまい、愛液をだらだらと垂らしてしまったことだった。一体どれだけ淫らな声を出し、絶頂に達してしまったことか・・・あの姿を知っていると思うと、とても土居と目を合わせることはできなかった。
「とにかく、アイリスのことは、会社には報告しないでおこう。」・・・土居がそう言った時、有希は黙って頷くのが精一杯だった。


 会社に戻ると、帰社の遅さを心配した課長から理由を訊かれたが、F社の話の裏を取るのに時間がかかったと土居がうまく説明した。

 翌日、F社の話を元に書いた有希の記事は、インパクト不足と何度も課長から突き返された。もちろん、アイリスでの出来事を書けば、大スクープ級のインパクトがあるに違いなかったが・・・有希は黙って叱責に耐え、芸能人の盗撮の噂などの下世話な情報を書き足すしかなかった。

 ようやく記事のOKが出ると、有希は第1編集部に戻り、鳥飼の下での勤務に戻ることができた。久しぶりに会った作家達は、有希の気品と美貌を再び見ることができたことに喜び、猫可愛がりしてくれた。それは鳥飼がずるいよなー、と冗談混じりに愚痴をこぼすほどだった。(やっぱりこっちがいいな・・・職場も相手も、みんないい人だし・・・)有希は頃合いを見計らって、鳥飼にアイリスのことを相談しようかと考え始めていた。もちろん、そのままは言えないので、できるだけぼかして・・・

 アイリスがあの映像をどう扱っているのか・・・有希は片時も忘れることができなかったが、どうすることもできないのもまた事実だった。土居によると、ああいう業界の人間は、逆に約束は絶対に守るから大丈夫・・・とのことだったが・・・だとすると、乳房や秘部や尻が露出している映像は絶対に出ず、着衣の緊縛映像は、どこかで使われ、彼らの収入源になる・・・足りなければ、また撮影に応じなければならないのか・・・有希は何百回もそんな堂々巡りをしては、結局、気にしないようにしよう、と自分に言い聞かせるのだった。

 第1編集部での仕事に没頭した有希は、自分が書いた記事がSupershotに掲載される日を忘れていた。そして、発売当日に電車で吊り広告を見て、ようやくそのことを思い出した。

 『可愛すぎる新入社員、有希ちゃんの記事第一弾! ネットへの情報漏洩阻止の現状』
(もう、変な枕詞を付けないでよ・・・ほんと、第2編集部って最低ね・・・会社に行ったら記事をチェックしなくちゃ。ゲラのチェック、鈴木さんがしてくれたのかな・・・)有希はぼんやり考えながら、何となく他の見出しも目で追った。

 (・・・!!)
有希の目が一点で止まり、大きく見開かれた。

 『袋閉じ特集:興奮保証! 有希ちゃんがAVスタジオに潜入取材で強制出演の危機!?』


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