PART 78

 「・・・そ、それでは、に、二階堂、有希・・・会社の会議室で、・・・て、剃毛ショー、したいと思います。」
有希は上品な立ち姿のままで作り笑いを浮かべて男性社員達と携帯端末を見つめ、小さくお辞儀をした。パチパチパチ、と拍手が会議室に響いた。

 もちろんそれは真樹の指示だった。そして、その指示には、男性社員にとってはこの上なく楽しく、有希にとってさらに辛い続きがあった。

 (あ、ああ・・・こ、こんなの、嫌ぁ・・・誰か、助けて・・・)有希は目の前の5人を切なそうな表情で見回したが、それはやはり無駄な試みだった。
「・・・それでは、失礼ですが、机の上に、上がらせていただきます・・・」
上はスーツ、下は股縄だけの格好で、有希は椅子に右脚をかけて上がり、身体を回転させてお尻をテーブルの上に乗せた。そして腰をずらしてテーブルの真ん中に来ると、5人の男達から見やすいように身体の正面を向けた。
(・・・あ、ああ・・・う、嘘でしょ・・・)
有希は頭の中が真っ白になるのを感じながら、体育座りのように両膝を立て、さらにその脚を大きく開いていった・・・同時に、身体の奥がじんじんと熱くなっているのももはや否定しようがなくなっていた・・・

 そしてついに、有希は会議室のテーブルの上で、下半身に縄を巻き付けただけのM字開脚ポーズを披露することになった。もともと秘裂に食い込んでいた縄だったが、股を大きく広げることでさらにきつく食い込み、縄の部分は秘裂に潜り込んで大陰唇の一部がぷっくらと膨らんで露出し、3つの瘤はクリトリスと膣口、尻の穴をさらに強く刺激するようになった。また、ほんの少しだけ生えている恥毛が何とも言えない淫猥さを醸し出していた。

 有希がすっかりアイリスの罠に嵌まったことを理解した男性社員達は、すっかり余裕の表情になり、ゆったりと椅子に座るようになっていた。そして、コーヒーを口に運びながら、テーブルの上で卑猥なショーの開催を余儀なくされた美人社員の股間をまともに覗き込んだ。

 「いやあ、まさか会社で剃毛ショーが見れるなんてなあ、しかも有希ちゃんの!(笑)」
「でも、この写真の時って、まだ毛があったよね。うっすら黒く透けてるもんな。」
「おー、パソコンで有希ちゃんの緊縛動画を見ながら、実物の剃毛ショー見物か、いいねえ(笑)」
「それじゃあ有希ちゃん、そろそろ始めてよ。ちゃんときれいに剃らないと駄目だよ。」
「ほら、シェービングクリームとカミソリ、俺のを貸してあげるからさ。なんなら、俺が剃ってあげようか?(笑)」
最後の言葉を言って道具を差し出したのは、課長の須藤だった。
「おい、お前ら、蒸しタオルも準備しといてやれよ。有希ちゃん、それでアソコを温めてからにした方がいいぞ。」

 ・・・そして数分後。ようやく恥丘の生えかけの恥毛を全て剃った有希は、思わず膝を閉じて体育座りの格好になり、その膝に顔をうずめるようにして喘いでいた。自分でその部分を剃るためには、嫌というほど脚を広げ、女性の最も隠しておきたい部分をギャラリーに見せつけるようなポーズを取らなければならなかった。
「・・・お、お待たせ、しました・・・ゆ、有希の、お○んこ、つるつるにして、お詫び、させていただきます・・・こ、これで、いかがでしょうか・・・は、はぁぁ・・・」
真樹に命じられた卑猥な口上を述べながら、男達と携帯カメラのレンズを見つめてにこりと作り笑いを浮かべた。もちろんその言葉は震え、笑顔は引きつっていた。縄1本が秘裂に食い込んだだけの下半身をM字開脚で晒しているのだから、それも当然だった。また、縄の3つの瘤が敏感な部分を責め続けているのも辛かった。時間が経つにつれ、じんじんとした熱さだけでなく、快感を感じているような気がして、有希は内心で当惑していた。どうして、こんな状況で気持ちよくなっちゃうの、私?・・・嘘、何かの間違いよ。早く収まって・・・

 『うふふ、よくできたわね、有希ちゃん。きれいに剃れてるじゃない。』
若手社員によって、接写するかのように股間に近づけられたカメラから、真樹の朗らかな声が聞こえた。
『それじゃあ有希ちゃん、今度はお尻の方も見せて。よく見えるように、そこで四つん這いになってくれる?』

 「え、そ、そんな!? どうしてそんなこと、しなくちゃいけないんですか?」
有希はさっと脚を閉じ、携帯カメラに向かって抗議した。男性社員達のにやけ顔がさらに有希の恥辱を煽った。ぜ、絶対に嫌よ、そんなの・・・

 『何言ってるのよ。あなた、私たちアイリスとの約束を破ったのよ。お詫びの印として、スカートとパンティを脱いで、自分で股縄縛りをして、アソコの毛を剃った姿を見せてくれるんなら、まあ許してあげようかと思ってるんじゃない。だけど、まさかお尻の方には毛が生えたままにしてないか、確認させてもらえないとね。』

 「え・・・そ、そんな・・・」
そんなことまでは、さっきは言っていなかったではないか・・・しかし、そう言って抗議を続けたら、事態は遙かに悪化することは確実だった。

 『・・・有希ちゃん、あなたが誠意を見せてくれると思ったから、さっきからあの動画の配信、停止しているのよ。・・・だけど、やっぱり約束を守らないって言うなら、配信再開するしかないわね。フルバージョンも販売するのもいいかもね(笑)・・・』

 「・・・わ、分かりました、分かりましたから、そんなことは、しないでください・・・」
有希は力なくそう言うと、一旦身体を起こし、テーブルの上で向きを反対に変えた。今度はブラインドが下りている窓側に顔を向け、背中をギャラリーに向ける形になった。視界にギャラリーの顔が見えなくなると、却って有希の恥辱は高まった。絶対に皆、縄が一本食い込んだだけの有希の尻を見つめているに違いないのだ。そして、それなのに自分は、更に恥ずかしい格好をしなければならない・・・う、うそ、こんなの・・・有希は頭がぼうっとするのを感じながら、ゆっくりと四つん這いの格好をとった。両手を前につき、両膝を立てて、直角に曲がった腰をギャラリーに向けて突き出した。
「こ、これで、よろしいでしょうか・・・?」

 おおぉ・・・静まった会議室の中で、男達からため息のような唸り声が漏れた。先週は一人で怒鳴り込んできた美人新入社員が、今は会議室のテーブルの上で四つん這いになり、上半身はスーツ、下半身は縄だけという格好で尻を突き出して見せている・・・それはあまりに刺激的で、楽しいショーだった。
「有希ちゃん、それじゃあ全然、お尻の穴の回りに毛が生えていないかなんて、確認できないよ。もっと開いてくれないかなあ・・・脚をもっと大きく開いて。それから、前はほっぺたがテーブルに付くくらいに下げて、お尻をうんと突き出すようにしてくれないと。」

 調子に乗った須藤が軽い口調で言うと、周囲の男性社員達が思わず吹き出した。そして、ゆっくりと有希がその指示に従って脚を大きく開き始めるのを見て、たまらず野次を飛ばし始めた。
「ストリッパーだってしないぜ、そんな格好」
「ご自慢のエロケツ、思いっきり見せてよ(笑)」
「そんなに焦らさないで、脚をもっと開いてよ。お客様の命令だぞ!」
「それじゃあ次は、背中は反って、ケツを真上に突き出すように!(笑)」

 卑猥な野次と無体な命令に逆らうことができない有希は、ついに大股開き四つん這いポーズで尻を突き出す格好を晒すことになった。そして、有希の下半身を隠しているのは、尻の溝に食い込んでいるロープ1本だけなのだ。
「・・・こ、これで、いいですか・・・」
有希は掠れ声で聞いた。男達に尻を向けているため、目の前に見えるのは壁にかかったブラインドだけだ。とても振り返って皆の顔を見る勇気はなかった。

 しかし、真樹は飽くまでも非情だった。
『いいですか、じゃなくって、何をしてほしいか、ちゃんと言いなさい。皆さんの顔を見ながら、にっこり笑顔でね。』

 「・・・っ」
有希はあまりにひどい命令に絶句した。一体どこまで私を辱めれば気が済むの・・・しかしもちろん、有希に拒否権はなかった。有希は全身を小さく震わせながら、首を捻り、後ろの方を向いた。途端に、にやけ顔の男達と眼が合い、有希はかあっと全身が熱くなるのを感じた。
「み、皆様、・・・ゆ、有希の、お尻の、穴の、周りに・・・毛が、生えていないか、じっくり、ご確認、ください・・・」
勤務時間中に職場の会議室で、軽蔑していた下品な写真週刊誌のスタッフ達に、ほぼ裸の下半身を突きつけながら作り笑いを浮かべて見せ屈辱的な台詞を口にする・・・それは22歳の女性にとって、羞恥地獄そのものだった。(
お、お願い、そんな目で見ないで・・・)

 それは同時に、男性社員達にとっては夢のような光景だった。出場していないのに実質ミスK大にもされてしまった可愛い新入写真が、上にはスーツを着たまま四つん這いになり、丸いお尻を突き出しているのだ。脚を大きく開いているため、尻の溝がぱっくりと開き、食い込む縄までがはっきり見える。そして下の方には、秘部に食い込む縄とその周りで押されてぷっくらと膨らんだ大陰唇・・・それは写真週刊誌に載せているヌードグラビアよりも遙かに過激なポーズだった。しかも無理やり笑顔を作らされているのがまた堪らなかった。

 「よーし、可愛い有希ちゃんがそこまで言うならじっくり見てあげるよ、お尻の穴!(笑)」
「・・・だけど、縄の瘤で見づらいなあ・・・」
「ねえ有希ちゃん、ちょっとお尻を振って見せてよ。そしたらちょっとは見えるかもしれないからさ。」
「いいねえ、生意気だった有希ちゃんが、謝罪のエロケツ振り振りダンス!(笑)」
「おい、何で睨むわけ? ちゃんと見てあげるから、見えやすくするように言ってるだけじゃん。」
「あ、そうだ、腰を振り始めるまでお尻ペンペンしようぜ! 生意気な新入社員への教育的指導ってことで。」
「それじゃあ、課長からお願いします。思い切り、パシーンとやっちゃってください(笑)」
有希の白く丸くプリプリした尻を眺めながら、男性社員達は勝手なことを言って笑った。
 
 え、そ、そんな、と悲鳴を上げかけた有希の尻を、須藤がスナップを利かせて平手打ちした。パチーン、という音が鳴った。
「おお、むちむちで吸いつくような肌、いいねえ、有希ちゃん!」
須藤が感に堪えないといった様子で言うと、さらにピシャリと叩いた。
「おい、先輩を睨んだことを反省してるか?」

 「ひ、ひいっ」
お尻への衝撃の連続に、有希が堪らず悲鳴をあげた。くねくねと尻を振って須藤の手から逃れようとしたが、有希はいつの間にか周囲を他の社員達に囲まれていた。

 ・・・そして2分後。有希は大股開き四つん這いのまま、テーブルの上に固定されてしまっていた。余った縄を使って、両足首と両膝をテーブルの脚に結び付けられてしまった。しかも、両手は後ろ手に縛られていた。目の前は窓にかかったブラインドなので、身体を前に伸ばすこともできない。

 「それじゃあ有希ちゃん、お尻を振ってくれるかな?」
「恥ずかしくても逃げられないように縛ってあげたしね。」
「そうだ、サンバを思い出して、情熱的に振って見せてよ。」
「両手で身体を支えちゃ駄目だよ。ほっぺは机について、お尻を思いっきりあげるんだよ。」
男性社員達は有希を取り囲んだまま、卑猥なポーズを強要し、様々な角度から覗き込んだ。そしてついに有希が尻を振り出すと、おおっとどよめき、喜んだのだった。

 そして、新入社員の緊縛尻振りダンスをじっり楽しんだ後、おもむろに須藤が言った。
「ごめん、有希ちゃん。悪いんだけど、やっぱり瘤が食い込んでるから分からなかったよ、毛が生えているかどうか。」

 『もう、意地悪ねえ、みんな。有希ちゃんのお尻フリフリダンス、全部無駄だったってことじゃない?』
携帯端末から真樹の呆れて半笑いの声が聞こえた。

 そ、そんな・・・と呆然とする有希のお尻を、須藤が撫でながら立ち上がった。
「まあ、動画配信も取りあえず中断されたんだし、焦ることないよ。・・・それじゃあ、そろそろメシに行こうか。」
はいはい、と他の社員達も席を立ち、会議室から出ていこうとした。

 「ちょ、ちょっと待ってください!」
有希は慌てて男達に声を掛けた。有希は今、下半身丸出しで股を開いてテーブルに足首と膝を拘束されているのだ。このまま置いていくなんて、あんまりよ・・・

 「大丈夫、大丈夫、昼休みに会議する奴はいないから。ちょっと待っててよ、有希ちゃん。」
須藤がそう言うと、男性社員達は会議室を出て行ってしまった。


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