第二章 AI画像での羞恥責め
PART 2
七月初旬。着任から3カ月が経ち、、二年一組の担任となった江藤佳純は、受け持ちの生徒だけでなく、学校中の人気者になっていた。
授業でつまずけば男子が「先生、かわいい〜!」「彼氏できたー?」「まだなら俺と付き合って!」と茶化し、女子からは「佳純先生みたいな先生になりたい!」「ちょっとあざと可愛いすぎじゃないですか?」「男子を取らないでくださーい」と慕われた。
……男子の裏LINEでは毎晩のように「かすみんの今日のエロ尻」「かがんでブラチラ!」「かすみんの胸揺れすぎ!」などのコメント、スクショ、動画が共有されているのだが、もちろん佳純は知る由もない……
職員室でも、素直で熱心、悩みがあると上目遣いで頼ってくる佳純は先輩教師たちに可愛がられていた。
二年生の学年主任は山崎先生、四十代の男性の国語の教師だ。実は高校時代の佳純の恩師でもあり、成績優秀で素直だった佳純を可愛がってくれていた。新任教師の指導役でもあるので、ときどき授業を見に来ては、適切なアドバイスをしてくれた。一つだけしばしば注意されたのは、優しい性格のため、生徒の押さえの効かない場面がときどきあることだった。
佳純にとって心強かったのは、二人の女性教師の存在だった。美術の美谷先生、音楽の小川先生……二人とも二十九歳の独身で、佳純が悩んでいるとさりげなく飲みに連れて行ってくれた。そして、授業で男子達が暴走することがあったり、時間配分に失敗したり、説明がうまく伝わらずなかなか進まなかったり……佳純がぽつぽつ話すと、そんなのたいしたことじゃないわよ、こうすればいいの、と励ましてくれた。
また、男性教師達も気さくに接してくれて、授業のない時間に職員室で事務作業をしている時も緊張せずに過ごすことができた。特に隣の席の藤田先生は、細かい事務処理ルールに戸惑う佳純を助けてくれて、佳純はしばしば救われた。ただ、ときどき食事に誘われるのを断るのには少し苦労していた。また、ときどき胸や太ももに視線を感じることもあった。
名門K大附属高校の教師の志望者は多く、採用基準は厳しかった。佳純は学生時代の成績も良く、昨年の教育実習で良い評価を得たため、今回の採用となっていた。
しかし、一年目は試用期間というのがこの学校のさらに厳しいところだった。最終的には校長の判断だが、校長の判断材料は、指導役教師の評価、欠勤日数など勤務態度、生徒アンケートの大きく3つだった。
従って新人教師は、基本的に休めず、指導役教師から学校行事の準備などの手伝いを求められたら断れず、生徒には嫌われずしっかり教えていい成績を取らせなければならない……二年目の本契約となる新人教師は約6割、決して安泰ではなかった。
しかし佳純にとってそれらは苦ではなかった。憧れの母校の数学教師の枠がたまたま空いて、運良く採用されたのだ……休日の行事にも笑顔で参加者する佳純の姿を、周囲の皆が暖かく見守っていた。
――――☆☆☆――――☆☆☆――――☆☆☆――――
ある朝のホームルーム。
佳純が教室のドアを開けると、黒板に大きく貼られた数々のA3大の画像が目に入った。生徒たちがおはようございまーす、と挨拶するが、その視線は何かを期待しているような感じだ。
不審に思いつつ、佳純は黒板に近寄って、その画像に目を向ける……
「……え?」
それは、彼女の授業中の写真だった。
黒板の前に立ち、説明をしている全身像。
一枚は、そこにAIで加工を施し、スカートを膝上20cm以上まで極端に短くして白い太ももを丸出しに。ブラウスはボタン2つ外され、ピンクのレースブラがはみ出し、深い谷間が強調されている。もう一枚は、スカートが完全に消え、食い込みの激しい白いTバックパンティ一枚で黒板に数式を書く後ろ姿。ヒップの丸みが照明に照らされてテカり、食い込みラインがくっきり浮かび上がり、アナル近くまで透け感が出ている……。
「っ……!」
佳純の首筋が一瞬で真っ赤に染まった。心臓がドクドクと暴れ、耳まで熱くなる。
教室は静まり返り、三十組の視線が一斉に彼女に突き刺さる。男子たちはニヤニヤと、女子たちは目を丸くしながらも、どこか期待するような表情。
佳純は震える手で一番上の画像を剥ぎ取った。紙がビリビリと音を立てる。
「これ……AIで、私の写真を加工したもの、ですよね」
声が上ずる。
(ここで逃げちゃだめ、教師として毅然としないと!)
「みんな、聞いてください」
深呼吸して、黒板の前に立つ。
「私、教師になったばかりで、まだまだ未熟です。でも、こんなことは絶対に許しません! 女性の体を、勝手に性的なものとして消費するなんて最低です。」
普段と違う剣幕に教室がしんとなった。よし、聞いてくれている……
「誰かを傷つけて笑うこと。それが『ただのいたずら』で済むと思ってるなら、それは大きな間違いです……この画像、きっとスマホやPCに保管してますよね? 今すぐ、全部、削除してください。そして、二度とこういうことをしないでください。約束してください」
静寂。誰も動かない。
(うん、きっと分かってくれたよね!)
佳純は内心で小さくガッツポーズした。今まで、厳しくできず生徒を抑えきれないことが何度かあり、山崎先生からも指導されていた。でも、こんな感じでいいんだ……
すると、後ろの席の男子――いつも佳純をからかってる男子、佐藤が、ゆっくり手を挙げた。
「先生、ひとつ質問いいですか?」
「はい、どうぞ?」
佳純は不安を覚えたが、そう言うしかない。
佐藤が続ける。
「先生のお話はよく分かりました。だけど、どこからが『性的なもの』なんですか? 例えばミニスカに加工するのは駄目ですか」
佳純「駄目です」
佐藤「それじゃあ、パンチラは?」
佳純「駄目に決まってます!」
佐藤「じゃあ全裸のAV女優に服着せて、先生の顔合成するのは?」
佳純「もう、いい加減にしなさい!」
ここで別の男子、いつもお調子者の田中が便乗して手を挙げる。
「じゃあ、グラビアアイドルの水着姿ならいい? 先生と同じくらいデカ尻のやつとか……」
クラスがどよめく。
佳純の頬がかあっとと熱くなった。
「駄目です……!」
今度は前の方の席の山田が手を挙げ、声を低くして。
「先生、今日のブラウス……ちょっと透けてる気がするんですけど。ブラのレース、ピンクですよね? 加工画像みたいに」
佳純は慌てて胸元を両手で押さえた。
(やだ……本当に透けてる? みんな見てる……?)
下腹部がじんわりと熱くなり、乳首がブラウスの中でこりこりと硬く尖り始めることに気づいて、ますます顔を赤くする。太ももを無意識に擦り合わせると、股間の布地が湿り気を帯び始めていることに気づき、佳純はさらにパニックになった。
「もう……これ以上、言わないでください」
声が震える。毅然としなきゃ……
佐藤がゆっくりと言った。
「先生、俺たちに『性的なもの』って何かってちゃんと教えてくれないと、どこまでがセーフかわかんないっすよ? 例えば……先生が今、黒板に数式書くときみたいに腰突き出して尻振ってるのって、性的じゃないんですか?」
佳純が絶句している表情を見ながら続ける。
「だったら先生が『これエロい』って思うポーズ、みんなの前でやってみせてくれれば、俺たちも分かるっすよ」
あっと、クラス中が息を飲む。
「な、なにを……」
佳純の体がビクッと震えた。男子たちの視線が一斉に彼女の腰、ヒップ、太ももに集中する。
板書してるだけでエロいんですけど、と誰かの呟く声が静かな教室で妙に響いた。やべっとその生徒の声が続き、押し殺した笑いが広がる。
女子たちも「たしかに佳純先生、腰のラインエロいよね……」「私たちも見ちゃうじゃん……」とひそひそ。
嫉妬と好奇心が入り混じった視線が、佳純の体をさらに熱くさせる。
---最近、みどりちゃんが私を見るとき、笑顔が少し冷たい気がする……今まで一番人気だったみどりは、自分に告白した男子が全て佳純に夢中なのが我慢できない。今、女子グループは微妙に佳純と距離をとっていて、佳純の悩みの種となっていた---
佳純は唇を噛み、両手でスカートの裾をぎゅっと握った。
(恥ずかしい……みんなに、そんな目で見られて……なのに……体が熱い……)
彼女は小さく息を吐き、声を絞り出した。
「今日はこれ以上、話しません。みんな落ち着いたら、もう一度、ゆっくり考えて」
声が掠れる。
佐藤たちはニヤリと笑い、
「はーい、じっくり考えます」
と答えた。デカケツをじっくり思い出しながら考えまーす、と小さな声が続き、周囲の男子が笑った。
「もう許してやれよーw」
ホームルームが終わると、佳純はフラフラと職員室へ向かう。
途中、廊下で壁に寄りかかり、息を荒げた。
(そんなに私の身体、エッチなの?……みんなそんな目で見てたの……)
身体の奥がカッと熱くなり、佳純はうろたえた。
――――☆☆☆――――☆☆☆――――☆☆☆――――
その日の放課後。
美術の美谷先生と音楽の小川先生に「今日は大変だったでしょ? ちょっと飲んで帰ろうよ」と誘われ、佳純は少し迷った末に頷いた。
連れて行かれたのは、駅から少し離れたところにある、お洒落な雰囲気の居酒屋の個室だった。照明が柔らかく、佳純の白いブラウスを優しく照らしている。
「美谷先生、小川先生……今日のホームルーム、本当に怖かったんです……」
佳純はビールを一口飲んでから話し始めた。ぽつぽつと話すうちに、だんだん涙目になってくる。
「みんなの視線が……私の体を、そんな目で見てるみたいで……私、男性を誘惑するつもりなんて全然ないのに……」
美谷が優しく微笑む。ワインのグラスを傾けながら、
「大丈夫よ、佳純ちゃん。その服、全然エッチじゃないわ。清楚で可愛いだけ」
小川が頷き、チーズをつまみながら続ける。
「高校生の男子なんて、何着たってエロい妄想するのよ。気にしすぎると、逆に隙を見せちゃうからね」
佳純は少しほっととして、続けた。
「それから……女子グループに、とても距離を感じるんです。なんか、みんながそれぞれ好きな男子の全員が私に夢中になってるって、不満みたいで……どうしたらいいでしょう?」
二人の表情が、一瞬だけ微妙に曇った。
(何この子……悩みのフリして自慢?)
(若い男子にもてて困りますって? ふざけないでよね……)
ともに29歳で独身の二人の女教師の胸に、静かに嫉妬の火が灯った。
---自分たちにはもう遠い「モテる悩み」。できれば30前に出会いたい。同じ学校の教師なら、イケメンでスポーツマンの藤田先生……ただ、なんどか粉をかけても反応はなかった。それなのに、この22歳の新任が、無自覚にそれを振りまいている---
美谷は穏やかな声で言った。
「そういうの女子にはよくあることよ。気にしないで」
小川がフォローする。
「そのうち飽きてまた慕ってくるわよ。そうだ、もしその女子たちから何か遊びに誘われたら、絶対に断らないことね。プライベートで遊んで、友達になれば完璧よ」
佳純の顔が徐々に明るくなる。二人に向け、目を輝かせて頷いた。
「そうですね……! ありがとうございます」
しかしその後、佳純は決定的な一言を口にした。
「それから……職員室で隣の藤田先生から、何度も食事に誘われてて……。どうやって断ったらいいか、困っちゃって……その日は都合が悪いですっていうと、じゃあいつ空いてる? スケジュール絶対合わせるからって言われちゃうと、断りづらくって」
美谷の目が一瞬、鋭くなった。
(藤田先生がこの子に!? しかも、そんなに熱心に? 私たちには何の反応もなかったのに……)
さすがの美谷も表面上の笑みを作るのに苦労した。
「男の先生って、独身女性教師にはだいたい声かけるからね。佳純ちゃんみたいな可愛い子なら、なおさらよ」
小川がそっと手を握る。
「無理に付き合わなくていいのよ。でも、断り方は優しくね。傷つけないように」
「そうなんですね、じゃあお二人とも、藤田先生から誘われたんですね。本当に大変ですよね!」
佳純が無邪気に地雷を踏みまくっていた。
「本当に……ありがとうございます。先生たちみたいな先輩がいてくれて、よかったです……」
美谷が明るく言った。
「それそれ、その笑顔!」
小川が続ける。
「佳純ちゃんは笑顔が一番! 今までどおり、頑張って!」
2人は佳純を両側から抱き、髪をくしゃくしゃにして笑った。
「きゃあ、やめてください!」
とはしゃぐ佳純。こんな風に、優しいお姉さんみたいに接してくれる二人。自分はなんて幸せなんだろう……
しかし、二人の女教師は内心では全く違うことを考えていた。
(その笑顔が、屈辱に歪むところ……見てみたいわ)
(純粋な顔が、真っ赤になって震えるの……楽しみね)
駅で佳純と別れると、美谷がスマホを取り出した。
「実は私、みどりちゃんと仲いいんだけど……今日アドバイスしたこと、伝えとくわ」
小川がクスクス笑う。
「あー、それでみどりちゃんが遊びに誘うってことね! 今なら……やっぱりプールだよねw」
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