part 7

 「それ、ちょっと実験してみたんだよねー。」
村野はそう言いながら、今度はノートパソコンを広げた。これも大画面で超高画質の最上級機種だ。サークルのメンバー皆の不満を強引に押し切って、俊之が村野のために買ってやったものだ。村野は皆に見えやすいように画面の角度を調整しながら、サークルのホームページにアクセスし、菜穂子のコーナーにジャンプする。

 ここにはいつも菜穂子の写真のサムネイルが10枚展示されており、クリックすれば画面いっぱいの画像を見ることができるようになっていた。いつもは清楚な菜穂子の私服姿や、健康な色気が感じられるテニスウェア姿が展示されているのだが、今回は少し違っていた。

 最後の1枚のサムネイルはスマッシュを打つ瞬間の菜穂子のショットなのだが、スコートが大きくまくれ上がり、白いパンティとそこから伸びる真っ白な太ももが写っている。その下には、「あれ、これってパンティ?・・・まさかね。」というコメントがついている。

 村野は黙ってそのサムネイルをクリックした。すると、大画面に写された菜穂子のスコートの下は、やはりパンティであった。しかも肌にぴったり貼り付いているため、尻の形がかなりはっきり浮き出てしまっている。もちろん初日の模範試合の時のものだ。

「こりゃすげぇや。菜穂子を知ってる奴ならこれで5回は抜けるぜ。」
浩一がつぶやく。さきほどテレビで見た写真に比べれば、あまりにもおとなしい写真であったが、インターネットで世界中、特にK大生全員に公開されていると思うと、不思議な感慨が感じられるのであった。

「このカウンターを見てよ。おとといの夜にこの写真を公開してから、もう300人以上見てるよ。もっと過激な写真を撮ってくれたら10万円払う、なんてメールも来てたっけ。」
義雄がクールに言うが、その内容は菜穂子を絶望に追いやるのに十分であった。

 もう300人にパンティ丸見えの恥ずかしい写真を見られてしまった・・・。同じクラスの男子はほとんど全員が菜穂子のファンであるから、その大半にこの写真を見られてしまったに違いなかった。

 (休み明けに、どんな顔をして学校に行けばいいの? クラスのみんなになんて言えばいいの?)
菜穂子は思わぬ事態の展開に顔面蒼白となる。

 そんな菜穂子を満足そうに見た佳子は、追い打ちをかけるように言った。
「村野先輩、そんなに人気ならもっといい写真に変えましょうよ。パンティ丸出し、お尻丸出し、胸丸出し、あそこ丸出し、素っ裸って5枚並べるなんてどう? テニスしながらすっっぽんぽんになってく写真を大学中に公開するなんて、菜穂子じゃなきゃできないもんね。」

「ミスK大から、K大男子のオナドルへの華麗なる転身、いいねぇ。」
「清楚な菜穂子ちゃんもいいけど、スケベな体を隠しておくのはもったいないもんなぁ。」
男子は佳子の提案を無責任に面白がる。その間も菜穂子の痴態から視線を外すことはない。

 菜穂子は青ざめた。そんなことになったら、もう生きていけないと思った。真理に向かって必死に懇願する。
「お願い真理ちゃん、それだけは許して。そんなことになったら、私、学校に行けない」
菜穂子はもう半分涙目だ。必至にこらえているのだが、瞳がうるんでいるのは誰の目にも明らかだ。
 そして、その色っぽい瞳と表情は、菜穂子の意図に反して、皆の嗜虐心を高める機能しか果たさなかった。

「いい加減にして下さいよ、先輩。そのせりふはさっき聞きましたよ。だから素っ裸になるのは許してあげたのに。だいたいそれが人にお願いする態度ですかぁ。土下座してお願いされたら考えてもいいですけどね。」
 真理はすっかり勝ち誇った声だ。

 菜穂子は更なる屈辱に再び唇を噛む。しかし、やや震えながらゆっくり正座する。そのまま腕を前方へ伸ばし、体を倒す。言われたとおりの土下座の姿勢だ。

「お願いです。インターネットに変な写真を載せるのだけは許して下さい。」
菜穂子が取らされた格好に男子も女子も興奮を隠しきれない。下着だけの可憐な女子大生が土下座をしている姿というのは、後ろから見るとかなりエッチだ。

「う〜ん、どうしようかなー。ま、そこまで言うんなら考えますけど,ポーズがいまいちですね〜。。そのままお尻を高く上げてもらえません? 言うとおりにしなかったら佳子先輩の言うとおりにするだけだどね。」
 今度は加奈子が図に乗って勝手な命令する。真理もにやにやしながら頷く。1年生二人組は女性特有の陰湿さを発揮して、菜穂子を羞恥地獄に堕とすことに全く遠慮がなかった。

 ギャラリーは期待を裏切らない展開に目を輝かせる。サークルの女神的存在だった菜穂子にこれからどんな恥ずかしいことをさせようと、もはや彼らの思うがままなのだ。

 菜穂子は加奈子の非情な言葉に、一瞬体を固くした。しかし、もはや抵抗は許されない。加奈子の指示通り、土下座の姿勢のまま腰を高く上げていく。

 少しずつお尻を上げていきながら救いを求めたが、加奈子達は許さない。額と両手を床につけたまま、ついに菜穂子の膝は床と垂直になり、パンティだけの尻を高々と突き出す格好になった。

 テニスコートで全てを見られているとはいえ、密室で好奇の眼に囲まれて取らされたあまりに恥ずかしい格好に、菜穂子は顔を真っ赤にする。男子達は皆菜穂子の背後に回っているため視界にはいないが、どこを見ているかは痛いほど分かる。

 その時、後ろからフラッシュが光った。義雄がデジカメで写真を撮ったのである。
「この写真も使えるかな〜?」
と言いながら今撮った画像を液晶画面に映し出し、回覧する。

「おー、すっげぇーポーズ! あの菜穂子ちゃんが大サービス!」
「コートで素っ裸もいいけど、このケツ突き出しポーズもたまんないねぇ」

菜穂子は黙って耐えていたが、高く掲げた尻がわずかに震えている。その尻を楽しそうに見ながら加奈子が言った。
「仕方ない先輩ねぇ。そんなにお願いするんなら、インターネットは許してあげるわ。じゃあ、元どおりのレクチャーに戻りましょう。さ、早く全部脱いで。」

加奈子はすっかりこの場を仕切っている。俊之も直人も口を出す気配は無い。もっとも、この2日間で練ったシナリオを実行しているだけだから当然ではあったが。
 
 菜穂子は、皆が至近距離で見つめる中、ブラジャーを脱ぎ、次いでパンティーも取り去った。ついに、再びサークル全員の前で一糸まとわぬ姿になってしまった。

 両腕で体の前面を隠して立ちつくす菜穂子。一度見られているとは言え、あの時は野外であったから、恥ずかしい反面、サークルのメンバー達にはある意味でブレーキがかかっていた。しかし、今度は貸し切りの別荘、つまり密室なのだ。加奈子達が何を菜穂子にさせようと誰も止めようとしないだろう。

 おとといから加奈子達のグループに加わり、今や菜穂子を辱める陰謀の中枢メンバーとなっていた実樹は、震える菜穂子を見ながら、(菜穂子、そんなに恥ずかしい? でも、これからあなたはもっともっと恥ずかしいことをみんなの前でするのよ。)と考え、ニヤリと笑った。そして、菜穂子に告げる。

 「そんなことしてたらサイズが測れないでしょ。さ、両手を頭の後ろに回して組んで。」
親友だったはずの実樹の非情な言葉に、菜穂子は逆らえない。躊躇いながらも、ゆっくりと体から両腕を離し、言われた通りにした。

 男子も女子も全員が固唾を飲み、一瞬しんとなった。菜穂子のヌードはそれほど美しかった。肌は抜けるように白く、細いウエストのくびれが強調する胸と尻の膨らみは最高の曲線を作っている。
 (お願い、早く終わって・・)菜穂子は目をつぶって恥ずかしさに耐えている。

「さ〜て、菜穂子先輩の体を調べましょうね〜」
と言いながら加奈子がメジャーで測定を始める。素っ裸にメジャーが巻き付く様に、誰もが菜穂子の緊縛姿を想像し、隠微な興奮を味わった。

「え〜と、バストは、・・・83、ウエストは、・・・59、ヒップは、・・・85。へぇ〜、菜穂子先輩って、やっぱりスタイルいいんですねぇ。」
加奈子が感心したようにつぶやく。その表情は羨望と言うより嫉妬に近かった。

 またフラッシュが光る。義雄のデジカメには菜穂子の全裸が再度記録された。しかし、今度の菜穂子はコートでの時と違い近距離におり、完全に静止している。義雄にとっては格好の被写体だ。

「写真は撮らないで、お願い!」
菜穂子が眼をつぶりながら懇願するが、義雄は全く意に介さない。

「ちゃんと眼をあけてこっちを見るんだ。あの写真をホームページに公開してもいいんだぞ。」
菜穂子はやむなく眼をあける。すかさずフラッシュが閃いた。

「この写真は高いぞ〜。あの菜穂子の完璧な全裸写真だもんな〜。」
義雄は上機嫌だ。義雄も当然菜穂子の大ファンだった。いつもはパンチラやテニスウェアを持ち上げる胸の膨らみの写真をネタに、必死にヌードを想像していた。今、その姿が眼前にあり、しかも撮り放題なのだから上機嫌になるのも当然だった。

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