PART 71(bbbb)

 −−−その30分ほど前のこと。

 事務室に連行された柏原は、奥の個室で図書館員と警備員から厳しい追及を受けていた。

 頼むから信じてください、何も悪いことはしていないんです、と切々と訴える柏原だったが、二人はなかなか信じてくれなかった。一体それは誰の服なのか、なぜ、柏原がそれを持って館内をうろついていたのか、という質問に全く答えられなかったのだから、それも当然だった。
 
 膠着状態に陥りかけた時、個室の扉が開き、上半身は制服姿、下半身は丸裸の女性が入ってきた。(あ、梨沙ちゃん!?)

 しかし、それは梨沙ではなく、大石すずだった。驚愕する柏原を横目に、すずは、自分が柏原の彼女であると名乗り、図書館の奥で裸になるプレイを楽しんでいたと話した。まじまじと見つめる柏原に、すずはこっそりウインクした。
 柏原が驚くのには、すずが突然現れたこと以外に、もう一つ理由があった。今日のすずは、本当に梨沙にそっくりなのだ。制服もK附そっくりのものを着て、ヘアスタイルもメイクも、わざと似せているとしか思えなかった。

 さんざん叱られてからようやく解放された二人は、すずの誘いで図書館の奥、百科事典コーナーで少し話をすることにした。柏原は早く梨沙を助けなければと思いつつ、少しだけなら、と応じてしまったのだった。

 人気のない本棚の間に入ると、すずはまず、柏原に礼を言った。
「ありがとう。あなたのおかげで助かったわ。実はね、今日ここで撮影だったんだけど、ちょっと気分が乗らなくって、途中で逃げちゃったの・・・」
すずは今、柏原が持っていたスカートとパンティを穿いていた。

 「気分が乗らなかったって、体調でも悪いんですか?」

 「ううん。体調は絶好調なんだけど、気分が乗らなくてね・・・実は、ある会社に移籍するんだけど、新しいプロデューサーがね、また移籍前のシリーズの続きみたいな作品を作りたいって言い出して・・・なんか、マンネリじゃないかなあって気がしちゃって・・・」

 「シリーズ物って、ひょっとして、『大石すずの露出調教スペシャル』ですか!?」

 「え、知ってるの? 嬉しい!」
すずの顔がぱっと明るくなった。

 「知ってるどころか、1作目も2作目も発売日にダウンロードして持ってます。どっちも、すごく、最高です!」
すずが明るくなったのが嬉しくて、柏原は必要以上に力を込めて言った。
「まず、どれも、シチュエーションが最高で、すずちゃんが顔を赤らめて恥ずかしがるところなんて、本当に可愛くって、たまらなかったです。特に、2の最初の図書館のシーンなんて、突き出されたお尻が本当にいやらしくって、でもぷりぷりで可愛くって、触られた時のすずちゃんのはにかむ顔とか・・・それから、授業中の教室の横で全裸になってオナニーのシーンとか、すずちゃんの息遣いが本当に恥ずかしそうで、でも気持ちいいのが伝わってきて本当に興奮したし・・・あと、1の大学病院で、大勢の学生の前で全裸四つん這いにされて、M字開脚で腰を振ってローター飛ばすところとか、それから・・・あ・・・なんか、すみません」
すずが頷きながら聞いてくれるので、柏原の話はどんどん加速してしまった。

 「ううん、すっごく嬉しい! あなた、本当に私のファンなんだね。2なんて、昨日発売されたばかりで、まだ違法ダウンロードもできないはずなのに、そんなにじっくり見てくれて。」
すずはにっこりと笑った。
「ねえ、あなた、名前は?」
すずは手を差し出した。

 「はい、かしわば・・・柏葉、と言います。」
すずの手を握りながら、柏原は夢のような気持ちになっていた。まさか、大石すずちゃんと二人きりになって、こんなに楽しく話ができて、握手までしてもらえるなんて・・・
「AVはすずちゃん一筋の大ファンです!」

 「あはは、そんな風に言ってくれたファンの人は初めてよ。なんか恥ずかしいけど、嬉しい!」
すずは明るく笑った。
「・・・柏葉くんね、覚えておくわ。」
 
 「それから、露出調教スペシャル、絶対に続きを作って欲しいです。マンネリなんて、全然思ってないです。すずちゃんは、露出ものが一番似合うと思います。絡みが下手とかいう人もいるけど、無視していいと思います!」

 すずの顔が少し曇った。
「・・・柏葉くん、本当に私のファンなのねえ・・・実は、それで少し悩んでたの。AV女優の癖に絡みが単調とか言われているのは知っているわ・・・フェラも、男優さん達にいまいちって言われて・・・でね、私には仕方なく、露出の仕事しか来ないのかなあって、ちょっと落ち込んじゃって・・・」

 「それは絶対に違うっ!」
柏原の強い口調に、すずがびっくりして見上げていた。
「・・・すずちゃんは、まだ18歳で、デビューして5作しか発表してないじゃないですか。デビュー前に経験豊富だったらそりゃうまいかもしれないけど、そうじゃないから、撮影されながらそんなことするのは、ぎこちなくなっちゃうと思うんです。だから今は、露出で恥ずかしがるすずちゃんが、生のすずちゃんで、一番魅力的なんです。少しずつ経験を積んで、エッチもうまくなっていく過程を、本当のファンなら、すずちゃんと一緒に楽しめると思うんです! 好きな女の子が、上手な演技じゃなくて、本当に気持ちよく感じて、恥じらいながらエッチなことができるようになるところを見れるなんて、男として最高に嬉しいことです!」

 「・・・柏葉くんってさ、一生懸命になると周りが見えなくなっちゃうんだね・・・私の悩みに、こんな大演説で励ましてくれる人、初めて・・・」
すずの表情は再び明るくなり、クスリと笑った。
「ねえ、柏葉くん、私のこと、そんなに好きに思ってくれてるの?」

 「もちろんです! すずちゃんの、エッチな身体も正直好きだけど、・・・それ以上に、すずちゃんの笑顔が眩しくて、大好きです!・・・あ・・・すみません、年上なのに、ちゃん付けで呼んでしまって・・・」

 すずはもはや、お腹を押さえて笑いをこらえていた。
「えー、今さらあ? いいわよ、ちゃん付けで呼んでくれて!」
すずは笑いが少し収まると、柏原の顔をじっと見つめた。
「あーあ、私、柏葉くんともっと早く会いたかったなあ・・・そしたら、普通の彼女として付き合えたかもしれないのに・・・」

 「え、すずさん・・・」
すずの甘い言葉に、柏原は動揺した。それって、俺のこと・・・まさか・・・どうしよう・・・

 「大丈夫よ、付き合ってなんて言わないから!」
すずは眩しい笑顔で言った。
「でも、良かったら、お礼をさせてくれない?・・・こんなの、どう?・・・」
そう言うと、すずはスカートのホックを外し、ジッパーを下ろし、スカートをストンと落とした。

 「え、ちょ、ちょっと・・・」
柏原はそう言いながら、すずのパンティだけの下半身から目を離せなかった。まさか、生で見れるなんて・・・

 「お願いだから、黙って見ててね・・・」
すずはそう言うと、制服のブラウスを脱いで上半身ブラジャー姿になり、さらにブラジャーをとって、瑞々しい乳房を晒した。それから、はにかんだら笑みを浮かべ、柏原をちらちらと見ながら、パンティをゆっくりと下ろしていった。
「どうかな、私の裸・・・生で見たご感想は?」

 「・・・さ、最高にきれいです・・・」
柏原は喉がカラカラになっていたため、声が掠れてしまった。大石すずが、俺のためだけに、素っ裸になってくれた・・・白くて柔らかそうなおっぱい、引き締まったウエスト、小さめのおへそ、淡い恥毛、うっすら見える縦の溝・・・

 「あ、お尻も好きなんだよね・・・こんな感じ?」
すずは柏原に背を向けると身体を前に倒し、手を前にのばして本棚を掴んでバランスを取った。そしてお尻を柏原に向けて突き出し、ぷりぷりと振って見せた。

 「す、すずさん・・・ちょっと・・・」
柏原はズボンの中で肉棒が膨張するのを止められなかった。

 「あー、興奮してるぅ!」
すずが目ざとくそれを発見し、けらけらと笑った。
「可愛い、柏原くん! 男優さんなんて、フェラしなきゃ勃たないのに、これだけでもうビンビンね!」

 「す、すみません・・・み、見ないでください・・・」

 「あら、女の子には素っ裸にさせてじっくり見た癖に、自分は見せないなんて、不公平じゃない?」
すずはそう言ってからかうと、柏原の方を向いて、床に腰を下ろした。
「そんなに興奮してくれたお礼に、もっとよく見せてあげる・・・」
すずは膝を立て、ゆっくり脚を左右に開いていった。

 それは、柏原もビデオでおなじみの、M字開脚ポーズだった。
「ほら、今日は特別に、モザイクなしでどうぞ・・・」
すずは柏原の目を見ながら、両手の人差し指で、ぱっくりと秘裂を開いた。

 「す、すずさん・・・」
いつもモザイクがかかっていたすずちゃんのアソコ・・・柏原はしばらく絶句し、食い入るようにそこを見た。
「ピンク色で、すっごく、きれいです・・・」

 「やだ、そんなにじっくりと見ないでよ、恥ずかしい・・・でも、なんか、嬉しいな・・・」
すずは頬をぽっと赤らめた。
「ねえ、柏葉くん・・・女の子がオナニーするところ、生で見たことある?」

 「い、いえ・・・ビデオでなら、すずさんのを・・・」

 「それじゃあ、今日は生で見せてあげる・・・」

 すずはそれから、M字開脚でのオナニーショーを始めた。左右の手が乳房を揉み、クリトリスをつまみ、秘裂に抜き差しされる・・・それは、高2の男子にはあまりに刺激の強いショーだった。しかもイく直前、すずは柏原を呼び、最後は柏原の手でイきたいとお願いした。柏原は、躊躇いながらも結局誘惑に負け、すずの誘導に従って乳房を揉み、乳首に触り、クリトリスをつまみ、秘裂に指を挿入した。優しく女の子の触り方を教えられ、最後は自分の手でイッたすずを背後から抱きながら、柏原はこの上ない幸福感に浸っていた・・・

 「ねえ、柏葉くん、フェラされたことって、ある?」
イッたばかりで上気した顔を見せながら、すずが柏原に言った。

 「い、いえ・・・」
(ま、まさか、すずちゃんが、俺のものを・・・)

 「それじゃあ、イかせてくれたお礼に、フェラ、してあげよっか?」

 「え、それはちょっと・・・」

 「え、嫌なの、私じゃ?」
すずは少し寂しそうな顔になった。

 「ち、ちがうんですっ!」
柏原は慌てた。
「それはいくらなんでも甘え過ぎというか、プロの方にタダでしてもらうなんていいのかなっていうか・・・」

 「やだ、そんなこと気にしないで。私、今日、柏原くんのお陰で、本当に元気になれたんだから・・・正直、引退も考えてたけど、もう少し頑張れそうな気がする・・・」
全裸のすずは、そう言いながら、柏原の前に正座した。
「それに、久しぶりにプライベートで気持ちよくイかせてもらったし・・・だから、私からもお礼させて・・・」
すずはそう言うと、柏原のズボンのジッパーをゆっくり下ろしていった。


 ・・・ジッパーをすっかり下ろしたすずは、その中に指を入れ、パンツの中から肉棒を取り出した。
「きゃあ、すっごーい! こんなに固くなってる!」
柏原の生の肉棒がこれ以上ないくらい勃起しているのを見て、すずは嬉しそうに笑った。
「やだ、私のオナニー見て、こんなに興奮してくれたの? 可愛い!」
すずはそう言うと、肉棒の先っぽをピンと指で弾いた。

 「うっ! や、やめてください、すずさん・・・」
柏原は肉棒をびくびく震わせながら呻いた。

 「やだ、やめないよ(笑) それじゃあ、こんなのはどう?」
すずはそう言うと、肉棒全体を右手で優しく握った。そして、その手をゆっくりと左右に動かし始めた。
「だめだよ、ここで出したら。お口で咥えてもらえなくなるよ?」

 「ちょ、ちょっとすずさん・・・う・・・」
初めて女の子に肉棒を握られ、擦られる快感に柏原は呻いた。でもやっぱり、フェラしてほしい・・・ここで出しちゃダメだ・・・

 しばらく肉棒をさすり、亀頭を弾き、柏原のウブな反応を楽しんだ後、すずが柏原の顔を見上げた。
「はい、よく頑張りましたあ・・・それではご褒美に、お口の中に出していいよ・・・」

 「え、本当に?」
柏原の顔が輝いた。まさか、すずちゃんにフェラしてもらえるなんて・・・しかも、口の中に出してもいいって・・・

 「それじゃあ、舐めるよ・・・」
すずが舌を突き出して見せ、ちょろちょろ動かした。そのまま、ゆっくりと亀頭に顔を近付けていく・・・

 (ああ、すずちゃん・・・)
亀頭を舌でちょろちょろ舐められるのを予感し、柏原はそれだけで快感に震えた。
(う、うわあ、気持ちいい!)


 「おい、お前ら! そこで何してるんだ!」
いきなり野太い男の声が響き、柏原とすずは固まった。

 ・・・それは、アイリス映像のプロデューサーだった。やっと見つけたすずに、なんで高校生と遊んでるのかと聞き、私の大ファンって声を掛けてきたから、というすずの答えに呆れて首を振った。ファンだからってフェラしてやるのか、と不審気に呟き、柏原を睨んだ。

 しかし、この子に励まされたから、もう我が儘は言わないで撮影を頑張る、とすずが言うと、プロデューサーは目を丸くした。柏原の手を握り、よく分からないがありがとう、お礼にキスでもフェラでもしてもらっていいぞ、と笑顔を見せた。

 「ところで、あなたの彼女ってどこにいるの?」
すずがふと尋ねた。すずは、さっき脱いだ制服のブラウスとブラジャー、プロデューサーが持ってきたスカートとパンティを身に付けていた。

 「あ・・・まだ、これを待ってます」
柏原はすずが脱いだスカートとパンティを拾いながら言った。
「ちょっと事情があって、彼女、今、下半身裸で待っている筈です・・・」

 ビターン、とひっぱたく音が響いた。
「ええっ!? 私、あなたがのんびりしているから、彼女は、別の服を持ってるとばかり思ってたのに・・・あんた、こんなことしてる場合じゃないでしょ!」

 「す、すみません・・・」
柏原は、右の頬を押さえながら謝った。い、痛い・・・

 「あ、ごめん、痛かった?」
すずは近寄ると、自分の左手を柏原の右頬に当てながら謝った。
「でも、ありがとね」
すずは柏原の右頬に当てた手を引っ張り、柏原の顔を自分に近付けた。そして、柏原の左頬に、チュッと軽くキスをした。
「・・・あなたの彼女がうらやましいわ・・・ほら、早く行ってあげなさい!」

 −−−これが、柏原が梨沙に絶対に言えない、と心に誓った出来事だった。この後、梨沙の元に駆けつけた柏原は、再び強烈なビンタを食らい、ノックダウンすることになるのだった。


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