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PART 40(abaab)
昨日までは、仲のいいクラスメイトだった筈の男子達ににやけた顔で見つめられ、梨沙は内心でがっくりした。も、もう戻れないの、前みたいには・・・
「・・・え、えーとね、今度のオナニーショーは、全部で、さ、3万円、欲しいの。・・・だから、一人、1500円ずつくらい・・・」
梨沙は今にも火を噴きそうなほどに頬を真っ赤にしながら、ついに金額を口にした。
「ぷっ、安っ!(笑) 1500円払ったら、ストリップして、オナニーまで見せてくれるんだ、梨沙ちゃん?(笑)」
岩本が吹き出しながら言うと、他の男子達も続いて笑った。
「そっか、梨沙ちゃん、趣味と実益を兼ねてるから、それでいいのか。」
「けどそれって、あんだけ反対してた、性の商品化、じゃないの?
男に裸を見せて金を稼ぐんだよね?(笑)」
「ばかっ、余計なこと言うな、梨沙ちゃんの気が変わったらどーすんだよ。・・・俺達、梨沙ちゃんの趣味を満足させられるなら、1500円くらい、喜んで払うよ。つーか、払わせてください、お願いします。(笑)」
「そうそう、何回でも払うから、どんどん過激なショーを見せてくれよな、梨沙ちゃん?」
「おいお前、そんなこと言っていいのかよ、彼女が聞いたら怒るぞ(笑)」
「けど、天下の美少女生徒会長さんに目の前でストリップされて、こんなにきれいなオッパイ見せつけられたら。仕方ないだろ?
喘ぎ方も可愛くてエロ過ぎだし!(笑)」
全裸の美少女を20人で取り囲んで鑑賞しながら、男子達はすっかり共犯意識で連帯感を強めていた。
そしてようやく、「美少女生徒会長谷村梨沙、露出狂告白&ストリップショー」が終わった。気が付くと時計は始業の少し前を指しており、男子達は慌てて席に戻り、梨沙は制服を身に付けた。そして、登校時に付けていたバイブ付きの前貼りは、次回のオナニーショーの時まで男子達が預かることになり、岩本が管理することになった。
そしてその後、梨沙以外で最初に登校してきた女子は、異様な様子に驚いて、教室の入口で立ち止まった。
「え、どうしたの、みんな・・・?」
いつもは自分が一番乗りなのに、今日はなぜか、男子が全員いて、そこになぜか梨沙だけがいる・・・その女子が目を丸くして立ち尽くしていると、岩本達が慌ててあれこれと言い訳をした。
しかしその女子の疑念は晴れず、1時間目の始まる前に、梨沙は女子達に囲まれ、廊下へと連れ出された。
「ねえ、梨沙ちゃん、何があったの? 何か、男子達も変な雰囲気だし・・・ニヤニヤして梨沙ちゃんを見たりして、気持ち悪いよね!」
「・・・ひょっとして、変な写真とかで脅迫されてるなら、私達が絶対許さないから、お願い、私達を信じて。」
女子達は皆、心から心配そうな表情で、何があったかを梨沙から聞き出そうとした。
「あ、ありがとう、みんな・・・でも、本当になんでも無いの、大丈夫よ。」
梨沙は必死に明るい笑顔を作って女子達に笑いかけた。まさか、自分からストリップをして、秘部の隅から隅までを解説付きで披露し、さらにはバイブを買いたいからお金をねだった、などと言えるはずもなかった。もちろん、そうしなければならない立場に追い込まれて仕方なくしたことだったが、その説明は始業前の短時間ではとても無理だった。それに、分かったからと言って、アヤメ企画と交渉してもらうなんてもちろん、できない・・・
(ごめんね、みんな。心配してくれて、本当にありがとう・・・)
梨沙は内心で感謝しながら、もう一度笑顔を作って皆を見回した。その時、男子が横を駆け抜けてスカートの中に風が入り、ノーパンで剥き出しの股間を撫で上げられ、梨沙はぞくっと身体の奥が反応するのを感じた。
そしてその日の授業中、岩本からのメールが、男子全員と梨沙に何度か送られた。
そこには、以下のような内容が記されていた。
・合計3万円、すなわち1人1500円ずつは、岩本が回収する。
・週末に有志の男子でアダルトショップに行き、アダルトグッズを買ってくる。
・梨沙は男子のメーリングリストに、欲しいグッズの商品名を送る。
・そのグッズの梨沙への提供及びそれを使ったショーは、来週月曜の朝6時にこの教室で行う。
・それまでの間は、男子は梨沙に、決して今日のことでからかったりしないこと。(女子にばれたら終わりだから)
・当然、今日の写真や動画は、決して他人に見せないこと。
・・・梨沙が露出狂であることを前提とし、そして、男子に買ってもらったバイブでのオナニーショーが約束されてしまったことを思い知らされ、男子のにやけた視線を浴びた梨沙は表情を固くしていた。
男子達は岩本のメールでの指示どおり、梨沙をからかうことも、他のクラスの者に教えることもしなかった。しかし、表面上は今までどおり仲のいいクラスメイトとして梨沙と接していても、どこか馴れ馴れしい態度になったり、視線が図々しくなったりしてしまうところもあった。そして一部の女子達は敏感にその変化に気づき、休み時間の間はできるだけ梨沙を囲み、男子達から守るように庇ってくれたのだった。そのお陰もあって、梨沙は週末まで、とりあえずは平穏な学校生活を送ることができた。
そして週末。何とか状況を打開したいと考えた梨沙だったが、結局何もできなかった。
まず、芳佳に連絡を取ろうとした。芳佳があれからどうなったのかを確認し、それから、自分自身のことを相談したかった。しかし何度も電話をしても芳佳は出ず、ようやく、「電話に出られなくてごめん。私は大丈夫だから。心配してくれてありがとう。」という短いメールが来ただけだった。
ゆきなとみどりは事情を知っている女子だったが、明らかにアヤメ企画の側だった。2組の紀子なら相談に乗ってくれるだろう・・・だけど、何を話して、紀子にどんな協力を求めるというのか・・・
考えあぐねていた梨沙に、一件の電話が着信した。それは、アヤメ企画の黒川からだった。
「よお、梨沙、元気か? 今日、岩本君達が梨沙へのプレゼントを買いに来たぞ。熱心に見ながらひそひそ相談していろいろ買ってったから、せいぜい楽しみにするんだな。おかげさまでこっちは3万円分の売上になったぞ。お前の成果ってことで記録しておくから、安心しろ。
だけど、気を抜くなよ。買っていただいたお客様にご満足いただけて、始めて販売が完了するんだからな。クレームがついたら売り上げ取り消しどころかペナルティだからな。・・・それじゃあ、明日のオナニーショー、期待してるぞ。(笑)」
黒川は一気にそう捲し立てると、梨沙の返事も聞かずに電話を切ってしまった。
週明けの月曜日。梨沙は重い足取りで学校に向かった。今日は、クラスの男子の前で、いやらしい道具を使ってオナニー、しなくちゃいけないなんて・・・そして、耳には黒川からの指示を聞くためのインカムを付けている。また、私を操り人形にして恥ずかしいことを言わせるつもりなの・・・?
梨沙は校舎の中に入ると、そっと下駄箱を開けた。すると中に、封筒が一つ、入っているのが見えた。(い、いや、何?・・・)梨沙が恐る恐るその封筒を開けると、中には手紙が入っていた。
「露出狂の梨沙ちゃんへ。
おはよう。今日はいろいろプレゼントを買ってきたから期待しててね。それじゃあまず、ここでスカートを脱いで、いつも通りのルートでゆっくり歩いて教室に向かうこと。手でパンティを隠したりしたら駄目だよ。それから、壁に追加の指示が貼ってあるから、見落とさないように注意しながら来てね。」
(そ、そんな・・・こ、ここでスカートを脱げって言うの?
や、やだっ! 誰かに見られちゃう・・・)
しかし今の梨沙には、指示に逆らうことなどできる筈もなかった。梨沙は辺りを何度も確かめ、誰もいないことを確認すると、スカートのホックを外し、ジッパーを下ろした。
(だ、誰も、見てないわよね・・・そうよ、こんな早くに誰もいる筈、ないじゃない・・・)
梨沙は自分にそう言い聞かせると、スカートをゆっくり下ろした。上はかっちりとしたブレザーの制服姿、下は緑のハイソックスと純白のパンティだけ、という破廉恥な格好になってしまった梨沙は、頬を真っ赤に染めながら歩き出した。
(大丈夫よ、教室になんて、すぐに着くんだから・・・)
下半身はハイソックスとパンティだけとなった梨沙は、いつものとおりに廊下を歩き始めた。校舎の端にある下駄箱から、廊下を歩いて教員室の前をとおり、真ん中の階段を上がって2階に行き、廊下を歩いて端にある2年1組の教室に行く・・・それだけのことだが、今の梨沙には果てしなく遠い道に感じられた。廊下を歩いている最中に、誰かが教室から出て来たり、登校してきたりしたら・・・梨沙は校内での露出という新たな羞恥に、心臓が破裂しそうなほどにどきどきしながら、身体の奥がジンとするのを感じた。
そして梨沙がしばらく歩くと、教員室前の掲示板に、一枚の紙が貼られているのを発見した。
「梨沙ちゃんへ。ここでパンティを脱いで、この手紙の横に貼ること。それから、この手紙を外し、下の紙が見えるようにすること。」
(そ、そんな・・・)梨沙はその紙を見てしばし呆然とした。早朝で誰もいないとは言え、学校の廊下でパンティを脱いで下半身を剥き出しにするなんて・・・しかも自分は仮にも生徒会長なのだ・・・
『どうしたの? 早くしないと、みんなお待ちかねよ。』
躊躇う梨沙の耳元でインカムから急に声が聞こえた。
(え、どうしてっ、どこで見てるの?)
梨沙は慌てて周囲を見回したが、誰も人影はなかった。
(あ、まさか・・・)
梨沙が今度は掲示板を注意深く見ると、やはりあの、貼り付け型のライブカメラが見つかった。
『やっと気づいたみたいね。分かったら、さっさと指示に従いなさい。あなた、あちこちから監視されてるから、ごまかしたら大変なことになるわよ。』
それは、ヘリウムガスで変えられていたが、女性の声だった。
(え、だ、誰なの?)
アヤメ企画の黒川、そうでなければ木嶋の声を予想していた梨沙は動揺して、再度周囲を見回した。
『もう、しょうがないわねえ。・・・いいから、じゃあまず、その紙を外してみたら?』
インカムの主が呆れたように言った。
「え、な、何・・・?」
思わず声に出して呟きながら、梨沙は掲示板の紙を剥がした。すると、その下からもう一枚の紙が姿を現した。
「あ、い、いやっ!」
そこには、
「これが私の今日のパンティです。」
という言葉が書かれていて、その下に一枚の画像があった。それは、教室の中、黒板を背にして、全裸で直立して全てを晒す梨沙の写真だった。
『それ、剥がしたら駄目よ。露出狂の梨沙ちゃんに喜んでもらうためのみんなの工夫みたいよ。(笑)』
インカムの女性はケラケラと笑った。その笑い方に梨沙はどこか聞き覚えがあるのを感じた。
『ほら早く、パンティ脱ぎなさいよ。早くしないと、学校中にばら撒かれるかもよ、生徒会長の校内ストリップ姿(笑)』