PART 63(bbbb)

 「それじゃあさ、梨沙ちゃん、そろそろ帰ろうか?」
柏原は、さり気ない風を装って言った。

 「え、そう・・・もう少し、見たかったけど・・・」
梨沙はそう言いながらも、柏原の言うことには逆らわず、水着売場を離れようとした。

 その時、背後から女性の声がした。
「あら、それって、うちの人気商品ですね! お買い上げありがとうございます、可愛い彼女にとってもお似合いですよ!」
二人が振り向くと、そこには女性店員が立っていた。上品なスーツを着て背が高く、スタイルも良く、親しげな笑みを浮かべて梨沙の水着姿を見つめていた。

 「え、そうですか・・・あの、私もとても気に入っています。」
まさか下半身が透けて丸出しの恥毛を見られているとも知らず、梨沙が恥じらいがちな笑みを浮かべた。
「ここのお店、とってもセンスのいい水着が多いですね。」

 「ありがとうございます。あのよろしければ、あちらの商品などご覧になりませんか? きっと、お客様によくお似合いだと思いますよ。」

 店員のうまい言葉に乗せられて、奥の売場に梨沙がついて行くのを見て、柏原は慌てて後を追おうとした。

 その時、とんとん、と背中を軽く叩かれた。
「お客様、早速当店の水着を活用されていますね。あの子、全く気付いていないでしょ?」
男の店員は柏原の耳に顔を近づけた。
「しっかし、可愛い彼女ですね・・・お尻もぷりぷりだし(笑)」

 「え、ええ・・・」
柏原は戸惑いながら答えた。早く、ここから逃げなくちゃ・・・今も、梨沙の丸いお尻が半分以上見えてしまっていた。くそ、見るな、お前ら。俺の梨沙ちゃんのお尻を・・・

 「・・・大石すずちゃんですよね、あの子?」

 「・・・え?」

 「少し雰囲気を変えているけど、よく見れば分かりますよ。・・・今日は、次回作の企画の下見ですか?」

 (あ、そういうことか・・・)柏原は店員が誤解していることを悟った。確かに、梨沙と大石すずは雰囲気が似ていた。そして、すずの人気作と言えば「露出調教スペシャル」だった。それなら、そういうことにしてしまった方が・・・
「うん、まあ、そんなところかな?」
柏原は急に、少しぞんざいな口調になった。それなら自分は、すずのマネージャーってところかな・・・
「でもさ、本当に気付かれないか試しているんだから、すずちゃんに言わないでくれよ。」

 「分かっていますよ。だけどお客さん、人が悪いなあ・・・うちの水着の隠し機能、本当はさっきも知っていたんでしょう?」

 「・・・ああ、まあ。さっきは悪かったね。でも、この商品をすずちゃんの作品で使ったら、かなり宣伝になるんじゃないの?」

 「そりゃあもちろん! 全面的に協力させていただきますから、ぜひよろしくお願いします。」

 「ああ、今日の結果を持ち帰って、ちょっと検討させてもらうよ。」
柏原は少し言葉を濁した。この企画が商品になることなどないのだから、その時に事務所に問い合わせなどされたら、嘘がばれてしまう・・・

 「あの、もしよろしければ、お名刺を頂戴してもよろしいでしょうか。後ほど、いろいろ私どもの商品を紹介させていただければ・・・」

 「あ、いや、申し訳ない。今日はちょっと、プライベートの延長で来ているから、名刺は持っていないんだ・・・」
頼む、信じてくれ・・・柏原は、自分が軽率な嘘をついてしまったことを後悔していた。しかし今さら嘘でしたとも言えない・・・

 「分かりました。それではごゆっくり。」
店員は小さく頷いた。
「あ、あちらのお客さんには、すずちゃんのどっきり企画の下見だって話しておきましたから、大丈夫ですよ。また、プロのAV女優だから、撮影厳禁とも伝えてありますので、ご心配なく。それから、すずちゃんは今日はプライベートだと思って少し雰囲気を変えているんだから、声を掛けないようにとも。」
気の利く店であることをさり気なくアピールした。

 「あ、ああ、ありがとう・・・ぜひ、この店を使う方向で検討するよ・・・」
そう言いながら、柏原の視線は梨沙を見ていた。梨沙は何も気付かず、笑顔で女性店員の勧める水着を見ていた。もちろん、白くて可愛い生尻を半分露出したままだ。

 「あ、お客さん!」
柏原を引き留めるように、店員が囁いた。
「それにしても、どうして下半身だけ丸出しなんです? すごくいい構図ですよね? お店に入って5分以上経ってるのに、戻らないのも不思議で。」

 「あ、ああ・・・」
柏原はなんと説明していいか迷った。しかし、様子を探るような店員の視線に気付き、これ以上疑われる訳にはいかないと覚悟を決めた。
「それはな・・・すずのジュースだよ」
柏原はいかにもAV製作のプロを装い、にやりと笑った。

 「ほう、なるほど! 海水じゃなくてもいいんですね、すずちゃんの愛液ですか、さすがです!」
店員は感心したように言った。
「だけど、すずちゃんにばれずにどうやったんですか?」

 「うん、まあ、ちょっとバイクの後ろに乗っけてね、わざと急勾配の荒れ地を走って、寸止め責めにしてね、」
柏原は演技を続けているうちに、本当に得意気な調子で話すようになっていた。

 「ああ、だからアソコの周りだけが透けてるんですね! それにしても、お尻の方まで浸透させるなんて、すずちゃんのアソコ、ぐしょぐしょですね!(笑)」

 「あはは、まあ、そうだな・・・」
梨沙ちゃん、ごめん・・・さすがに申し訳なくなった柏原は、ふと振り返って、梨沙の姿を確認しようとした。

 「柏原くーん! こっちだよ!」
別の方向から、梨沙の弾んだ声が聞こえた。

 声のした方を見ると、梨沙はサーフショップのコーナーにいた。隣には女性店員がいて、二人の前の壁には大きな画面があった。また、室内プールのようなものが画面の前に置いてあって、その真ん中にサーフボードが置かれていた。

 「え、梨沙ちゃん・・・」
柏原はそう言いながら、男性店員の顔を見た。嫌な予感がした。

 「それじゃあ、私どももドッキリに協力させてもらいますよ。ぜひ、次回作のワンシーンに使っていただければ。」

 まずい!・・・柏原は焦ったが、もう手遅れだった。梨沙は女性店員の話を聞きながら、屋内プールの中に入ろうとしていた。

 「あそこに入っている水は・・・?」

 「もちろん、海水です。あれは最新鋭の、サーフィンシミュレーターですからね。」

 柏原が何か言おうとしたとき、梨沙の声が聞こえた。
「柏原くーん、何してるの。おもしろそうだよ、早くこっちに来てよ!」

 柏原が近付いた時、3人の男女の客も室内プールの周りに集まっていた。梨沙は、柏原を含めて6人の男女に囲まれ、サーフィンシミュレーターを経験することになった。そして柏原以外の5人は、彼女が大石すずだと思い、にやにやしていた。すずちゃん、みんなにアソコとお尻見られちゃってるのに、無邪気な笑顔、浮かべちゃって(笑)

 「それじゃあ、最初はパドリングからね。」
女性店員は馴れた口調で言うと、手に持ったリモコンを操作した。

 大画面が切り替わり、実際に海でパドリングをして沖に向かっている女性の映像が表示された。

 「こんなイメージね。まずは、ボードの上にうつ伏せで乗って、波のあるところに進むのね。」
女性店員はボードの上に立っている梨沙に優しく言った。

 「はい・・・」
梨沙は小さく頷くと、まずボードの上で膝立ちになり、次に両手を前について四つん這いになった。その後ゆっくりと足を伸ばし、うつ伏せになった。その一連の動作を下半身が透けた状態で行うことにより、どれほど卑猥な姿を晒していることか、梨沙は知る由もなかった。
「きゃあ、冷たい!」
ボードの上の水が身体について、梨沙は可愛い声で悲鳴をあげた。

 しかしその声は、5人のギャラリーにとっては違う意味を持っていた。すずちゃん、身体の前面に海水がついてしまったということは・・・

 「はい、それじゃあここが浅瀬だと思って、両手で水を掻いてみて。リズミカルにね。」
女性店員はあくまで事務的にレッスンを行った。

 ボードの上でうつ伏せに横たわり、両手を交互にかく仕草を上から見下ろしながら、5人の男女は少女の生尻がくりっくりっと動く様子を楽しんだ。柏原だけが、引きつった顔でその可愛いお尻を見つめていた。梨沙ちゃん、立っちゃだめだ・・・でも、何て言ったら・・・

 「それじゃあ梨沙ちゃん、沖に出たつもりで、その場で立ってくれる?」
女性店員がリモコンを操作すると、大画面は穏やかな沖の海が映し出された。

 「はい!」
梨沙は元気よく返事すると、ボードについた手を伸ばし、まず上半身を起こした。皆の視線が、梨沙の胸に集中した。そして期待どおり、そこはすっかり透けてしまっていた。きれいな白い乳房、淡いピンクの乳輪、小さめの乳首・・・その全てが、6人の視界に晒された。
「えい、よいしょ!」
梨沙は今度は腰を上げ、両足でボードの上に立ち上がろうとした。

 その瞬間、画面の奥から大きな波が押し寄せ、連動するように室内プールにも波が起きた。サーフボードは大きく左に傾き、梨沙は悲鳴と共にプールの中に落ちていった。

 そして、全身がすっかり室内プールに浸かってしまった梨沙が、ボードに上がり、バランスをとって微笑むと、皆から一斉に拍手が湧いた。

 全身が海水に浸かってしまった結果、梨沙の水着は全てが完全に透けてしまった。すなわち、今、梨沙は、全裸で水に濡れた姿で、6人のギャラリーに笑みを向けていた。きれいな乳房も、淡い恥毛に包まれた秘部も、ぷりんとした卵のようなお尻も、全てが見られ放題だった。

 「梨沙ちゃん、そんなにまっすぐ立ったら駄目よ。こんな風に、両足を前後に大きく広げて立って、腰を落としてバランスを取るのよ。」

 「はい・・・こうですか・・・」
女性インストラクターの真似をして、全裸で股を開き、腰を後ろに突き出す格好でボードの上に立っている少女は、笑顔のまま聞いた。
「うわ、ほんとの波みたいですね・・・サーフィンって、楽しいですね!」

 ぷっ、すずちゃんって、可愛い女優なんだな・・・男性店員はにっこりと笑いながら、梨沙に声を掛けた。
「今、すっごいいい笑顔してますよ、お客さん!・・・よろしければ、写真を撮らせてもらってもいいですか? うちの店のホームページに使わせていただけるんなら、さっきの花柄のワンピースの水着、お礼に差し上げますよ。」

 「え、本当ですか? いいんですか、あんなに高い水着!」
波に揺れるサーフボードの上に立ち、両手を開いてバランスを取りながら、全裸の美少女は顔をほころばせた。
「でも、私の写真なんかでいいんですか?」
腰を落としているため、梨沙のお尻は誘うように淫靡に揺れていた。お尻の割れ目が開き、アナルまで見えそうだった。

 「もちろん! 君、とびっきり可愛いし・・・良かったら、その波に乗っているところ、動画で撮らせてもらってもいいかな? サーフィンシミュレーターのいい宣伝にもなるし。」
男性店員は、目の前の女性が大石すずとは気付かないふりの演技を続けながら言った。その手にはすでに、大きなレンズのカメラが握られていた。

 「いえ、そんな・・・私なんて、そちらの店員さんとか、そちらの方に比べたら子供ですから・・・私の動画なんて、見る人いないと思いますけど・・・」
波に身体が揺れるのにつれて、乳房もぷるぷると震えていた。
「ねえ、いいかな、柏原くん?」
知らずに無防備な全裸を晒し、はにかんで微笑む梨沙の笑顔が眩しかった。



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