PART 66(bbbb)

 柏原のその誓いは、3日後に早くも破られることになった。いや、高2の男子高校生として、3日はよく頑張った方と言えるかもしれない。

 その日、4日間連続で梨沙にしごかれ、へろへろになった柏原だったが、また宿題を出され、明日の土曜日までが期限とされたため、深夜になっても寝られなかった。あーあ、あと2時間はやらないと・・・できてないと、本当に梨沙ちゃん、鬼みたいに怒るからなあ・・・

 柏原が問題集を開いた時、携帯端末が震え、メッセージの着信を告げた。

 <おい、元気か。聞いたぞ、お前、4日連続図書館デートしてるらしいじゃないか。いいなあ、梨沙ちゃんと五日連続一緒なんて>
それは、悪友の冬木からだった。

 <ばーか、そんなにいいもんじゃねえよ。梨沙ちゃん、俺ができないと死ぬほど怒るんだからな>
柏原はすぐに返事をした。

 <そっか、まあ、頑張れよ。ところで、例のAV見たか?>

 <例の、って?>

 <ばーか、忘れたのかよ。今日は、すずちゃんの新作発売日だろ?>

 <あ、そうだった>

 <早く買って、俺に回してくれよ。サンプルムービー見たけど、今回のも最高みたいだぞ。じゃあ待ってるからな。おやすみ。>


 ・・・そう言えば、今日は新作発売日だった。確か、『大石すずの露出調教スペシャル2』・・・柏原はPCを立ち上げ、AVダウンロード販売サイトにアクセスした。おすすめ作品の画面にいきなり大石すずが登場した。女子校生の制服姿のすずは、図書館の棚の間に立ち、スカートをまくられてパンティを膝まで下ろされ、ぷりんとしたお尻を丸出しにしていた。

 梨沙ちゃん、ごめん、ちょっとだけ、新作をチェックするね・・・内心で言い訳しながらも、柏原はすぐに、その新作を購入してダウンロードした。ちょっと、さっと見るだけだから・・・

 それから3時間、柏原は食い入るようにPC画面を見つめ続けた。

 図書館の本棚の間でスカートをめくられてノーパンの尻を丸出しにされているシーン、授業中の教室のすぐ外の廊下でオナニーしているシーン、全裸で校庭を走らされているシーン、美術モデルをさせられクラスメイトに全裸を写生されているシーン、学校の屋上で全裸M字開脚で校庭に向けて放尿しているシーン、教室の机の上でまんぐり返しにされてバイブを突き立てられているシーン、全校生徒を前に演台の上で全裸ディルドオナニーしているシーン・・・柏原は、ところどころで再生を一時停止し、トイレへと駆け込んだ。

 3時間たって分かったことは、梨沙はものすごく知的で性格も良くて可愛いが、大石すずはとにかく可愛くて、身体もエロくて、悶える表情がたまらないことだった。また、梨沙の裸とすずの裸が、かなり似ていることも分かった。あちこちで停止して、梨沙の裸を思い浮かべ、必死に比較した結論だった。ということは、すずの裸を見ても、浮気したことにはならないかな・・・柏原は無茶苦茶な言い訳で自分をごまかし、すずの露出シーンをじっくり堪能した。もし、梨沙ちゃんにこんなことをさせたら、最高に興奮するなあ・・・今度、お願いしてみようかな・・・

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 翌朝、正気を取り戻した柏原は、あくびが出そうになるのを何度も抑えながら、図書館に開館時間の10分後に辿りついた。結局、空が白くなるまで動画を見てしまった結果、ほとんど寝ることができなかった。冬木にも、『やっぱり図書館シーンが最高にエロい、梨沙ちゃんにそっくりだから、お前もすぐ買え!』とメッセージを送っておいた。結局、梨沙に出された宿題は、半分しか終わっていなかった。

 いつもどおり開館の15分前に来ていた梨沙は、一番奥の席で鬼の形相で待ちかまえていた。
「おはよう、柏原くん・・・あら、目に隈できてる。昨日は徹夜でお勉強かしら?」

 「・・・あ、い、いや、ごめん・・・」
柏原は思わず目を逸らしてしまった。頭の中ですずに梨沙を重ね、さんざん恥ずかしいことをさせてしまったのが後ろめたかった。それになんと言っても、梨沙の服装が眩しかった。
「梨沙ちゃん、今日も制服着てるんだ。」

 「あれ、私服だと気が緩むから、明日も制服だよって、昨日言ったよね?」

 「あ、そうだったね、ごめんごめん」
火に油を注いでしまったことに気づき、柏原は必死に頭を下げた。こういう時は、言い訳しないでとにかく謝るに限る・・・
「それから、遅刻してごめん。なんか、寝付けなくってさ・・・ごめんごめん」

 「もう、仕方ないなあ・・・」
柏原の処世術が功を奏して、梨沙の怒りが何とか収まった。
「それじゃあ始めるわよ。昨日の宿題はできてるわよね?」

 「いや、それが・・・」
柏原は恐る恐る言った。
「ごめん、なかなか進まなくって、半分しか・・・」
見る見る梨沙の表情が強ばるのを見て、柏原の言葉は尻すぼみになった。

 「何ですって! 宿題は毎日ちゃんとしなさいって言ってるでしょ! 理系だからって、地理も手を抜いたらだめでしょ。地理なんて、初歩もほとんどできてないじゃない」

 「梨沙ちゃん、ちょっと声が大きいよ。」
柏原は声を潜めていった。梨沙と柏原は今、6人用の長方形のテーブルに座っていた。向かいの女子大生らしき3人組がちらちらとこちらの様子を窺っているのが分かった。
「ごめん、謝るからさ。」

 「話を逸らさないの! だいたい、ごめんごめん、て謝ってばっかりじゃない、柏原くん!」
梨沙の声が一層大きくなった。
「あのね、私は叱りたくて言ってるんじゃないの。あなたの将来のためを思って言ってるのよ!」

 目の前の女子大生3人組がたまらず、ぷっと吹き出した。梨沙の言葉は、できの悪い息子に対する教育ママの説教そのものだったためだ。

 「す、すいません・・・」
さすがに気付いた梨沙が周囲に謝った。
「・・・もう、柏原くんのせいなんだからね・・・」


 ・・・その日の柏原は、いつにも増して頭が鈍っていて、梨沙を苛立たせた。質問への反応も遅く、どこかぼうっとしていて、勉強に身が入っていないのだ。

 しかし、午前も終わり頃になると、梨沙は少し心配そうな顔をして言った。
「ねえ、柏原くん、大丈夫? 体調でも悪いの?」

 「いや、大丈夫だよ。ごめん、ちょっと疲れちゃったかな・・・」
本当の理由はとても言えなかった。梨沙にそっくりのAV女優のビデオを見ていてほとんど寝ていないこと、それから、図書館で梨沙の制服姿を見ていると、どうしてもそのビデオと重なり、本棚の間でノーパンの下半身を露出している梨沙の姿が、生々しく脳裏に浮かんでしまって勉強どころでないこと・・・ビデオの中のすずは、ブラもパンティも取られて乳房と秘部と尻を晒し、後ろから抱きつかれて乳房を揉みしだかれ、秘裂に指を抜き差しされて悶えていた。それから、その場に跪いて、周りの人を気にしながら、丸出しのお尻を左右にくりくり振りながらフェラをしていた。梨沙は可愛い舌を突き出して肉棒を舌先でちょろちょろ舐め、次にすっぽりと奥まで咥えて吸い上げる。途中で、「気持ちいい?」と言いながら、梨沙は柏原の肉棒をぱっくり咥え、上目遣いで顔を見上げた。柏原は梨沙を立たせて、お尻を突き出すように前屈にして本棚で身体を支えさせ、立ちバックで挿入した。あん、あ、あはぁ・・・梨沙は唇を半開きにして熱い喘ぎ声を漏らし、愛液をだらだらと垂れ流していた・・・妄想の中で、すずの顔はいつの間にか梨沙に変わっていた。梨沙ちゃん・・・柏原は梨沙を再び跪かせ、その顔に肉棒で狙いを定めた。あ、もう出るよ、梨沙ちゃん・・・

 「・・・柏原くん!・・・」

 頬をぺたぺたと叩かれ、柏原は、はっと正気に戻った。梨沙の顔が目の前に見えてぎょっとした。ほんの一瞬前、妄想の中で、顔射をする直前だった顔が至近距離にあるのだ。
「・・・! り、梨沙ちゃん、ごめんっ・・・」

 「は? 何で謝ってるの?」
梨沙は怒らず、心配そうな顔のままだった。
「やっぱりちょっと変だよ、今日の柏原くん・・・ちょっと無理させちゃったかな、ごめんね。」
梨沙は完璧に誤解していた。そしてふと優しく声をかけた。
「よし、ちょっと早めのお昼にしようか。今日は図書館の食堂じゃなくって、おいしいとこに食べに行こうよ。」


 二人は少し離れたところにある、量が多くておいしいと評判のイタリアンレストランで昼食をとった。朝食を食べ損なっていた柏原は、大盛りスパゲッティをあっという間に平らげ、二人で食べようといってピザを追加した。そのピザも梨沙は二切れしか食べず、あとは全部、柏原が食べてしまった。

 「柏原くん、おなかが空いてただけなの?」
梨沙は目を丸くしていた。


 しかし、その食欲が柏原にピンチをもたらすことになった。

 食後のコーヒーを飲んでいた時、梨沙がふと思いついたように言った。
「ねえ、柏原くん・・・昨日はすずちゃんのビデオ、見てない?」
それは、ここ数日繰り返されている質問だった。

 「・・・うん、もちろん・・・」
柏原は左手で持ったコーヒーカップに口を付けながら答えた。

 「そっか、しつこくてごめんね。」
梨沙はほっとしたように笑った。柏原がコーヒーを飲む瞬間だったことが幸いし、鼻と目の反応はよく見えなかった。
「・・・そういうことに詳しい友達がね、男の子だったら、絶対に水着だけじゃ我慢できないって言うから・・・」

 「へえ、そんなこと言ってたんだ・・・」
(その友達って誰なんだ?、余計なことを・・・)
「でも、俺の場合は大丈夫だよ。」

 「あのさ、この前の海の時の写真、見たいな。」
梨沙がはにかむように言った。
「ほら、柏原くんが買ってくれた水着の写真・・・」

 「あ、うん・・・」
柏原は携帯端末を取り出し、少し操作した。
「ほら、これがあの時の写真だよ。」
透明になった時の写真は撮れなかったもんな・・・可愛く微笑む白水着の梨沙の写真を見ながら、全裸姿でサーフィンシミュレーターに乗っている姿を思いだし、柏原は少しぼうっとした。

 「あ、本当だ! うん、やっぱりこのリスが可愛いよね・・・」
梨沙は嬉しそうに柏原に微笑みかけた。
「いっつも、この私の写真、持ち歩いているってこと?」

 「う、うん! いつも梨沙ちゃんのこと、見たいしさ・・・」
柏原は調子を合わせて言った。そんなことで喜ぶなんて、やっぱり梨沙ちゃん、可愛いなあ・・・お腹が一杯になった柏原は、当然払うべき注意を怠っていた。

 「ねえ、他のポーズの写真もあるの?」

 「うん・・・ほら、こうすれば・・・」
柏原が画面をなぞると、同じ水着の梨沙の次の写真が表示された。十数枚の写真を同じフォルダに保存していたのだ。

 「あ、これもいいね・・・私もやってみていい?」
柏原が頷いて、携帯端末をテーブルの上の、二人のちょうど真ん中に置いた。

 あ、これも可愛い・・・あ、このポーズ、ちょっと恥ずかしい・・・梨沙ははしゃぎながら写真を次々に表示していった。無邪気に微笑む梨沙を眺めながら、柏原はこの上ない幸福感を感じていた。

 「えっと、次の写真は・・・え?」
その写真が表示された瞬間、二人の表情が固まった。背景の景色は急に街中の渋谷に変わり、二人乗りのオートバイが映っていた。そして、後ろに乗っている女性は、素っ裸で、丸出しのお尻を突き出していた。大股開きでバイクに跨がっているため、尻タブも割れ、お尻の割れ目も見えそうだった。
「これって、どういうこと・・・?」

 「あ、違うんだ、それは・・・」
柏原はとっさに手を伸ばしたが、梨沙が携帯端末を取り上げる方が早かった。まずい・・・柏原の背中に冷や汗が流れた。

 「えっと、次の写真は・・・へえ、横から取って、私の胸がちょっと映ってる写真・・・次は、ちょっと腰が浮いちゃってる写真・・・次は・・・すっごく沢山、集めてくれたんだね。この写真も、いつも見たいから持っているのかな?」
梨沙はひきつった笑顔を浮かべていた。携帯端末を持つ左手がぷるぷる震えていた。

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