PART 75(bbbbx)

 「へえ、あなたが大石すずちゃん・・・ビデオで見てたのより、ずっと若い感じね。可愛いわね。」
真樹がねっとりとした口調で言って、すっと手を伸ばした。
「この乳房なんて、張りがあって羨ましいわ。」
真樹は、縄に囲まれてくびり出されている梨沙の乳房を触り、可愛い悲鳴をあげさせた。

 「・・・それに、このおま○こ、たまらねえな・・・」
黒川は少し体を前屈みにして、顔を梨沙の股間に近付けた。
「あはは、バイブをしっかり入れられちゃって・・・お、少し、濡れてるかな・・・」
黒川はそう言うと、いきなり手を伸ばし、クリトリスの辺りを探った。

 「あ、あ、あんっ・・・あぅぅっっ」
憎むべき男女に、女の子の大事な部分を覗かれて弄られ、梨沙は思わず身をよじって逃げようしたが、すかさず桂木に縄を引き上げられてバイブが秘裂の奥に食い込んでしまい、立ったままで背中を反らして呻いた。

 あははは、本当に初々しいな、この子、と社長室が笑いに包まれた。木島も席を立ってソファに移動し、梨沙は暫く、全裸亀甲縛りで立たされたまま、3人の男女に身体の全部を触られ、性感チェックをされてしまった。そのウブな反応がおもしろくて、3人はこっそりと梨沙の敏感な部分を責め立て、徐々に喘ぎ声が荒くなるのを楽しんでいた。

 また、全裸緊縛姿で後ろ手に縛られている少女を弄びながら、3人は目と目で会話をしていた。
(この子、絶対に処女でしょ)
(ああ、大石のはずがない・・・)
(てことは、やっぱり谷村梨沙? なんでここに!?)
(まあ、とりあえず楽しみましょう)
(そうだな、生意気だった生徒会長さんが俺たちの技にどこまで耐えられるか、試してもらおうか(笑))
・・・アダルト業界の長い3人には、その身体の反応だけで十分だった。大手広告代理店の須藤との約束があるから、こちらから梨沙を辱めることは絶対にしないが、勝手にAV女優のふりをしてきたんだから、少しAV女優体験をさせて、遊んであげようかな・・・


 さんざん性感帯を責められ、顔を真っ赤にして、熱い息を吐いている全裸の少女に対し、真樹がさりげなく話しかけた。
「・・・ねえ、すずちゃん、谷村梨沙って子、知ってる?」

 不意をつかれ、梨沙の目がはっと開いた。次の瞬間、様子を窺うような真樹の目に気づき、慌てて平静を装った。(どっち? どっちと答えれば疑われないの?・・・)
「・・・知りません。誰ですか?」

 しかし、梨沙の演技はもはや無駄だった。ほんの一瞬だが、目が見開き、視線が泳いだことを3人はしっかりと見ていた。やっぱり谷村梨沙だ、間違いない・・・これはおもしろくなってきたぞ・・・

 「ああ、その子、あれでしょ?・・・今日、すずちゃんはその子に似たメイクと髪型、させられているんですよね。」
微妙な空気を読みとれていない桂木が口を挟んだ。
「制服も同じの着せて・・・しかし、K附なんて、頭いいんですね、その梨沙って子は。」

 「頭いいどころか、生徒会長なのよ、梨沙ちゃんは」
 「K大どころか、T大模試でも成績優秀者に載るくらい頭いいんだぜ」
 「スポーツも万能で、2年なのに女子バスケ部のエース!」

 「ほおっ、大したもんだな、その子は・・・こんなに可愛いのに、名門校のエリートお嬢様かあ・・・」
桂木は梨沙の横顔をまじまじと見ながら、心底感心した声を出した。
「しっかし、同じくらい可愛い顔をしているのに、片や優等生の生徒会長、片や露出が得意なAV女優かあ・・・」
桂木はそう言うと、梨沙の後ろから手を伸ばし、突き出た乳房を揉んだ。
「・・・まあ、いいよな、お前だってAVでトップを狙えるんだから。さっきは渋谷で派手に放尿ショーしてきたもんな!(笑)」

 「あ、あんっ!・・・や、やめてくださいっ・・・お願い、言わないで・・・」
乳房を揉まれる快感と、さっきの極限の羞恥体験を知られる辛さに、梨沙は悶え、顔を歪めた。この3人にだけは知られたくない、さっきのこと・・・

 「へえ、渋谷で放尿ショーって、どんなことしたの?」
「おい桂木、またお巡りにお世話になること、したんじゃねえだろうな?」
「こんな可愛い子に、移籍早々、無茶させたんじゃないだろうな?」
3人の目はまた、淫靡な好奇の光に満ちていた。

 ・・・桂木が得意げに、ついさっきの露出ショーのことを話すと、3人は驚くと同時に、にやにや笑って梨沙の全裸緊縛姿を舐め回すように眺めていた。桂木の奴、放尿させたのが、素人で16歳の優等生生徒会長だと知ったら、驚くだろうな(笑)

 「ちょっと・・・真っ昼間の渋谷の、スクランブル交差点のど真ん中で、全裸でお股開いて、みんなに向けておしっこしたの、すずちゃん・・・」
真樹が呆れたように梨沙の顔を見上げた。
「あなた、よくやるわねえ・・・恥ずかしくないわけ? こんなに可愛いアソコなのにね・・・」
真樹は意地悪く、バイブが突き刺さった股間をまじまじと見つめた。

 「・・・恥ずかしい、です・・・」
好きでやったわけではないのになじるように言われ、梨沙は屈辱に震えた。しかし、桂木に縄を握られている以上、へたなことは言えない・・・

 「だけどなあ、すずちゃん。いくら露出が気持ちいいからって、渋谷で放尿一回転って、スプリンクラーじゃないんだから。」
黒川が呆れたように言うと、他の3人から笑いが漏れた。
「警察に捕まったらどうするんだ? お前一人が逮捕されて終わりじゃないんだぞ。会社への迷惑も考えてくれよな。」

 「は、はい・・・申し訳、ございません・・・以後、気をつけます・・・」
く、悔しい・・・最も軽蔑していた男に、露出が激しすぎると説教され、梨沙はわなわなと震えた。駄目よ、感情を出したら、私だってことがばれちゃう・・・

 「いやいや、あれは俺が思いつきでやらせたことなんで、すずちゃんのせいじゃないんですよ!」
桂木が慌ててフォローした。彼は、すずが本当は梨沙であることも、黒川達3人がわざとからかっていることも分からなかった。
「すずちゃんは、突然のシーン変更にも頑張って対応してくれました。警察が来たら、責任は俺だけで取りますからっ! クビでも逮捕でも何でもいいですから! 俺が、ナイフで脅してやらせたことにすれば、すずは無罪だろ!?」
桂木はプライドを捨て、米つきバッタのように何度も頭を下げた。

 「桂木さん・・・」
必死に頭を下げる桂木を見て、梨沙は場違いにもじーんと感動していた。
「どうしてそこまで、私のために・・・」

 「どうしてって、俺が撮った女の子は、みんな俺の娘だ!」
桂木はふと照れて吐き出すように言った。
「特にお前は、何か、すごく可愛いんだよな・・・今まで会ったことのないタイプって言うか、清純っぽい女優はいくらでもいるけど、お前は根本的に違うように感じてな・・・だからお前だけは、絶対に守りたいと思っちまってな・・・」

 「桂木さん・・・」
梨沙は今度こそ感極まった。この人、私を裸にしたり恥ずかしいことさせたりしたけど、私のこと、本当にちゃんと見て、心から可愛がってくれている・・・

 しかしそれは、端から見ると滑稽な図だった。全裸にされて赤い縄で亀甲縛りにされて秘部にバイブを咥えている女子高生が、腰から伸びた縄を持っている中年男と見つめ合っているのだ。しばらく楽しげに眺めていた黒川は、頃合いを見計らって声を掛けた。
「分かった、分かったよ。お前らの熱い師弟関係は!」
はっとして振り向く2人に、黒川は苦笑いを見せた。
「警察の件はちょっと脅しただけだよ・・・まあ、この木島社長が軽く何とかしてくれるから、お前らは安心していいぞ。」

 「いやあ、軽くっていうのはちょっと難しいですけどね。一般人がこんなに大勢いるど真ん中で、丸出しM字開脚放尿ショーじゃあねえ・・・」
木島が頭を掻きながら笑った。梨沙が真っ赤になってうつむくのを楽しげに眺めた。
「でもまあ、逮捕なんてことにはさせないから。今度からは気をつけてくれよ。」

 「ありがとうございます!・・・しかし、やっぱりあれは、売り物にはなりませんかねえ?」
桂木が頭を下げてから、名残惜しそうに言った。
「あんな大胆なゲリラ露出ショー、当分できないだろうなあ・・・」

 「あっきれた! 当分できないってあなた、またやるつもりなの?」
真樹が目を丸くした。
「あのねえ、そういう企画は、もうちょっと小さな会社に持ち込んだ方がいいわよ。アイリスグループがあんたのために傾いたらどうするつもり?」

 「やれやれ、アイリスも大企業病ですか・・・情けねえなあ・・・昔はもっと怖いものなしだったのに・・・最近はつまんねえ制約ばっかりだな・・・」
桂木は突然、日頃の不満を思い出して顔を膨らませた。

 「分かった分かった、販売の方も何とかできるように考えるから、そう拗ねるなよ。」
木島が取りなすように言うと、真樹が意外な表情で彼を見つめた。あら、さすが社長さん・・・何か、器が大きくなったわね、とからかう真樹の声が聞こえた。

 大人達の会話を聞きながら、梨沙は少しほっとしていた。良かった、桂木さん、捕まらないみたいだし、作品も発売させてもらえるみたい・・・!!
(え、それってつまり・・・!!)
渋谷のスクランブル交差点のど真ん中で、全裸で股を広げられ、高々と放尿しながら一回転した、あの動画が、一般に販売されてしまうということではないのか・・・梨沙は急に現実に引き戻され、ぶるぶるっと身体を震わせた。一体誰の名義で?・・・大石すずってことで?・・・でも、見た人に私と分かってしまったら・・・もう、生きていけない・・・

 その時、社長室の扉がコンコンとノックされた。返事を待たずに扉が開き、中に入ってきた女性社員は、全裸の梨沙をちらりと見ると、木島に向かって言った。
「社長、警察の方がいらしています。至急、確認したいことがあるとのことで。」



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